永瀬廉のNetflix初出演作は神戸を中心に撮影!Netflix映画『余命一年の僕が、余命半年の君と出会った話。』×三木孝浩監督インタビュー
――全然違う感じとは?
実際は“関西の気のいい兄ちゃん”という感じで、芝居で見せる表情と普段が全然違っていたので、そのギャップが面白かったです(笑)。
――出口さんはいかがでしょうか?
出口さんは見ていて飽きないですね。いろいろな感情がつねに動いていて、ずっとカメラを向けていたくなる俳優さんです。その中で驚いたのは、春奈がずっと疎遠になっていた親友の綾香(横田真悠)と再会するシーン。僕はお互いがちょっと気遣い合っている表情から、それがだんだんほぐれていくのかなと思っていたのですが、出口さんは最初に「ごめん」と言ったときから泣きそうな表情をしていたんですね。それはその場で出たウソのない感情だと思うし、彼女の俳優としての才能を感じた瞬間でもありました。
――監督が思う2人のベストショットはどこですか?
春奈が秋人に自分の絵を描いてもらう病室のシーンです。2人とは撮影に入る前から「役を作り込むのではなく、自分の心がどう反応したかを大事にして、セッションみたいな感じで撮っていこう」と話していたのですが、あのシーンでの永瀬くんと出口さんは本当にいい表情をしていました。本当は春奈が泣く前にカットをかけないといけなかったのに、出口さんの役のスイッチが入ったのが見えたので、カットをかけられませんでした。本当に春奈の感情が届いたので、あそこが僕の思う一番のベストショットです。
――撮影は神戸で行われたそうですが、神戸をロケ地に選ばれた理由を教えてください。
神戸はこれまで何度も撮影させていただいていますが、山あいに住宅地があって高低差もあるし、海も街もあるので、いろんな切り取り方ができるんです。とくに今回は、秋人と春奈が病院から花火を見るシーンがあるので、花火を見下ろせるような高低差がほしいなと思っていました。あと、春奈の見る世界は、病室の窓から見える世界しかないので、そういう意味でも魅力的な要素が箱庭的にぎゅっとつまっている神戸をロケ地に選びました。
――2人が文化祭に参加した後、海に行くシーンがありますが、あそこは淡路島で撮影されたそうですね。
神戸の沿岸もいろいろと見たんですけど、神戸だと夕陽が海に対して斜めに落ちていくんですよね。でも、もう少し真正面から海に沈んでいく夕陽を撮りたくて。結果的に淡路島のほうが角度的に美しく撮れるので、淡路島に決めました。