伊藤電線工業会会長、建設用電線需給ひっ迫「実需確認の上で発注を」。各社フル生産
日本電線工業会は12日、建設用電線の需給ひっ迫について都内で説明した。大手メーカーでは受注残が積み上がるなどして新規受注を停止する動きが広がっている。伊藤雅彦会長(フジクラ会長)は「大手会員へのヒアリングにより各社フル生産で供給を続けていることが確認されている」とコメント。その上で「まずは実需がどれ位あるのかをご確認いただき、実需として決まっている案件があれば極力納期に余裕を持って発注をお願いしたい」と呼び掛けた。 また伊藤会長は「5~8月は不需要期に当たる。来年以降は不需要期を勘案した(発注の)平準化を可能であれば検討いただきたい」と需給緩和に向けた協力を関係各所に求めた。 高圧ケーブルで需給がひっ迫し8月ごろから新規受注の一時停止がアナウンスされ始め、ここにきてボリュームの大きい低圧ケーブルでもその動きが広がっている状況。 工業会では建設用電線を手掛ける大手企業の状況について生産上の不具合や材料調達難はなく各社フルに生産して出荷を続けていると説明。供給能力が落ちていない中、需要環境について建設用電線を使用する電気工事の数が急激に増えたとは認識していないとしている。 金原正明専務理事は「市場の皆さまには製品が足りなそうだという観点から短期集中的に注文をせず、実際の納期を見極めて長めの納期と余裕を持ったサイズなどの決定を早期鎮静化に向けお願いしたい」と話している。工業会では流通やユーザー層に当たる複数の業界団体などに、理解と協力を求めて説明している。