風薫る会場に人垣 総合花展金沢展前期最終日 香林坊大和8階ホール
金沢市の香林坊大和8階ホールで開催中の石川県いけ花文化協会創立30年記念・第27回総合花展金沢展(同協会、北國新聞社主催)は25日、前期展が最終日を迎えた。能登の復興を願う初夏の花木で彩られた会場は午前中から多くの来場者でにぎわい、家族連れや愛好者が風薫る季節を感じた。 総合花展には前後期合わせ13流派242人が出品する。前期は133点が展示され、今年は学生の4点も並んだ。 会場では、ヤツデの深緑と新緑を対比させ、楚々(そそ)としたカスミソウで飾った秀作が爽やかに来場者を迎えた。ヒマワリや深紅のレッドジンジャーなど、夏に向かうエネルギーを感じさせる花材や、ガラスの花器、透明のアクリルを使った作品が涼感を漂わせた。 能登に心を寄せる作品が目立ち、来場者は杉や松の皮の間からアンスリウムが凛とたたずむ作品や、折れ曲がるトクサの中で一本だけを高く伸ばした作品に見入り、希望や復興の思いを重ねた。 能登の里山の景を花で表現した大作や、白いアマリリスと新緑のイチョウを組み合わせ、穏やかな雰囲気に仕上げた秀作をじっくりと鑑賞し、心を潤す来場者の姿も見られた。 ●26日から後期展 前期は25日午後3時で終了し、全期間を通して展示される特別大作6点を除き作品が生け替えられる。後期は26~28日に開かれる。入場料は600円(高校生以下無料)となる。