誰もがデータサイエンティストに!? データ分析の道しるべ「スキルチェックリスト」の活用法
高度人材の育成とデータ分析業界の健全な発展に貢献してきたデータサイエンティスト協会が、「データサイエンティスト スキルチェックリスト ver.5」および「データサイエンス領域タスクリスト ver.4」を2023年10月に発表した。協会の活動や最新版に新しく追加された内容などについて、スキル定義委員の佐伯諭氏(データサイエンティスト協会 事務局長)、高橋範光氏(ディジタルグロースアカデミア 代表取締役社長)、杉山聡氏(アトラエ シニアデータサイエンティスト)の三氏に聞いた。
データサイエンティスト協会の活動
――データサイエンティスト協会について教えてください。 佐伯: 2013年に発足し、データサイエンティストに求められるナレッジやスキルの定義、実態調査、情報発信、セミナー・トレーニング・検定プログラムの提供などを通じて、データサイエンティストを取り巻く環境を整備してきました。 データサイエンティストにはさまざまな定義がありますが、当協会では、「データサイエンス力、データエンジニアリング力をベースにデータから価値を創出し、ビジネス課題に答えを出すプロフェッショナル」と定義しています。 ――会員にはどのような業界の人が多いのでしょうか? 佐伯: 最初はマーケティング業界とITベンダー業界の人間が中心でした。10年たつうちに、製造業、金融業、教育事業などさまざまな業界や、ネットベンチャーの人も増えてきました。 ――新しい業界の人が増えたことで、協会の運営方針は変わりましたか? 佐伯: この5年くらいは、製造業や金融業といった事業会社の人たちが、データサイエンスやデータアナリティクスを用いて、会社で保有するデータをどう活用するか、さらに会社全体のDXをどう進めていくか、といった議論が非常に多くなっています。データサイエンティストの採用・育成・教育に関する課題も、コミュニティハブ委員会で活発に議論されています。