東農大が31年ぶり1部復帰 名物「大根踊り」が後押し 昨秋3部から2季連続昇格/東都
東都大学野球春季1・2部入れ替え戦(27日、神宮)3回戦が行われ、東農大(2部1位)が12―1で駒大(1部6位)を破って2勝1敗とし、1993年秋以来31年ぶりの1部復帰を決めた。プロ注目の長谷川優也投手(4年)が9回を3安打1失点と完投。主将の5番・和田泰征内野手(4年)が2安打3打点と打線を引っ張った。駒大は1季で2部に降格。 応援席では得点のたびに東農大の名物「大根踊り」が披露された。三塁打5本を含む18安打。31年ぶりの1部昇格を大勝で決めたナインは、マウンド付近で歓喜の輪を広げて拳を突き上げた。 「ここを目指してやってきた。うれしい。その一言です」 主将の和田が喜びをかみしめた。二回2死満塁では「長谷川を楽に投げさせたかった」と初球の144キロ直球をはじき返し、中越えに走者一掃の3点二塁打を放った。この回5点を奪うと、四回までに11点を挙げて駒大を圧倒。大量援護に守られたエース右腕の長谷川は9回111球を投げて1失点に抑え「何が何でも最後まで投げ抜いて勝ちたいと思っていた」とうなずいた。 1931年のリーグ創設時から加盟の伝統校ながら、昨秋は3部を経験した。「あの時は本当に悔しかった」と振り返る和田は「苦しむのではなく楽しく野球をしよう」とチームメートと話し合い、明るい雰囲気作りに努めたという。 北口監督は大阪・PL学園高時代は、後にプロで活躍した桑田、清原の「KKコンビ」の1学年上。社会人野球で監督も務めた。今季のスローガン「下克上」を成し遂げた選手たちに「今年は1部に上がって(11月の)明治神宮大会に出ようと目標を掲げた。主将がその思いをちゃんとメンバーに伝えてくれた。夢はかなうものですね」と目を細めた。 「チャレンジャーとしてやってきた努力や練習を信じて(今後も)やるだけ」と和田。勢いそのままに、秋は〝戦国東都〟で初の頂点を狙う。(加藤次郎)