愛知の水族館で「まずい」魚展 食べた感想など魚介類展示
愛知の水族館で「まずい」魚展 食べた感想など魚介類展示 THEPAGE愛知
一般的に「まずい」などと評価されている魚介類について、実際に食べた感想や調査などで評価の真偽を確かめる企画展「不味(まず)い魚展」が、愛知県蒲郡市の竹島水族館で開かれている。不気味な企画展タイトルが来館者の興味を引き、人気を集めている。展示は18日まで。
まずいという魚でも、調理法一つでおいしくなる?
会場には、同館周辺の三河湾などに生育する魚介類10種40匹が、解説文と共に展示されている。このうちタカノハダイは、磯の臭さやアンモニアのような臭いがするとして「ションベンタレ」という異名がつく。しかし、展示担当で副館長の戸舘真人さん(35)は、「臭いの強い時期があるというのが正解。展示10種類の中で、一番おいしかった。タイの味でしたよ」と絶賛した。 戸舘さんによると、タカノハダイは、夏季に臭みが強くなる一方、冬季は臭みが減るという。臭みの強弱の理由については詳しく分からないが、冬場でも漁獲方法によって、臭みが出ることがあるという。焼いて食べた戸舘さんは「中には刺身にして食べた人もいる。僕の他にも『おいしい』という人がいる。もしかすると、まずいという魚でも、調理法一つでおいしくなるのではないか」と話した。
どうしても食べたいなら、その地域で食べるべき
戸舘さんは展示10種類のうち、3種類の魚介類は食べていない。このうちマヒトデは、熊本県天草地方などのごく一部の地域で食べられているが「どうしても食べたいなら、その地域で食べるべき」と注意を促す。 マヒトデの食べることができる部分は卵巣で、ウニのようにおいしいという。中国でもゆでて食べる習慣があるとされているが、毒を持っていたり、重金属をため込む性質があったりする。さらに食べられる時季が短く、ものによっては「パサパサで残念な味」になることもあって、素人が手を出すと危険だ。 この企画展を目当てに訪れたという男性会社員(29)=半田市=は「時期によって、臭いの強さが変わるとは知らなかった。勉強になった」と、興味深そうに魚を見つめていた。 企画展について戸舘さんは「単においしい、まずいと言うものではない」と狙いを説明する。タイトルの「不味い」という言葉には、味が悪いという意味はもちろん、具合が悪い、不都合という意味も含ませた。「食べるとマズイ=危険という種類から、食べる時期、食べ方によってうまい、まずいと評価が変わる魚もある。いろいろな見方で魚介類に興味を持ってもらえたらうれしい」と話した。 (斉藤理/MOTIVA)