新東名沿線の“耕作放棄地”に着目…NEXCOの社員が畑再生し『枝豆』を栽培 コーヒー農園経営も視野に
NEXCO中日本は、2018年に農業法人を立ち上げ、人の背丈ほどあった草を刈り、石を取り除き、肥料をまいて畑として再生させた。ピーク時の収穫量は、1日900kgになることもあるという。 枝豆は除草剤を使わずに作っていて、『オレ達のえだ豆』というブランドで販売している。 NEXCO中日本 新事業開発課 井上寛規さん: 「一般より薄いという風に思われるかもしれませんが、これが本来の枝豆の色です。冬場は結構温暖な地域でもあり、コーヒーなんかの栽培には非常に適していると思ってます。重い野菜を運ぶというよりは、小さい実を収穫するということで、重労働ではない軽作業だというふうに言われております」
一度諦めた土地が、希望の土地に。近い将来、「お茶の里・静岡」でコーヒー農園が広がる光景が、見られるかもしれない。
■「放棄」された農地の復活は簡単なことではない
愛知県豊川市の農家・酒井美代子さんは、市民グループ「休耕地ハッピープロジェクト」を立ち上げ、地域住民の力を借りて耕作放棄地の再生に取り組んでいる。
酒井さんは、20年ほど前までキノコ農園だった場所の片付けを、1年ほどかけて続けている。当時は、20~30cmの厚さで土とプラスチックがあり、荒れ放題だったということだ。 鉄骨は錆び、ゴミも触って砕けるほど紫外線で劣化していたということで、「片付けるのが本当に大変」だと話す。 農家 酒井美代子さん: 「片付けるのに時間がかかる。なるべくこういうふうにしないほうがいい。これからもっともっと農業をしない・できない畑が増えてくると思うので」
一度荒れると元に戻すには手間と時間がかかる耕作放棄地だが、新たな作物を育てることで、その負のサイクルに歯止めをかける。 農家 酒井美代子さん: 「この白い花が咲いているのがソバです。ソバは肥料がなくても割とあの痩せた土地でもできるっていうことを聞いていて」
この畑もかつては、誰もが再び農業を始めようとは考えもしなかった場所だった。