「母と娘、なぜか恋する男性のタイプも似ている⁉ 」平安時代の「武者」、どんな役割だった?暮らしぶりは!?【NHK大河『光る君へ』#41】
【史実解説】平安時代において武者はどのような存在だったの?
平安時代、武者の身分は高くありませんでした。武者が社会で地位を確立していくのはもう少し後になってからです。 当時、土地を開拓し、農業などで財をなした人、都から地方に派遣された役人の中には富を蓄えて、豪族になった人がいます。彼らは領地を守るために武芸に励み、武者となりました。武者は武器の手入れや訓練、馬の世話をして暮らしていたそうですよ。 また、武者は貴族のボディーガードに雇われることもありました。貴族は争いが起きると武者を頼りにしていました。貴族の中には自分の地位を確固とするため、敵対者の屋敷の襲撃を武者に命じた人もいたといわれています。 貴族に雇われている武者は生涯安泰というわけではありませんでした。職を失い、浮浪者のように彷徨い歩く武者も珍しくなかったそう。武者同士の諍いが街中で勃発することもありました。彼らは武器を持っていたため凄惨な光景となることもあったといわれています。 武者の生活は貴族と比べて質素でした。彼らのつつましやかな暮らしぶりは食事にも見て取れ、米、数匹の魚、漬物、芋汁のような食事内容でした。肉体労働に従事する男たちにとってはものたりなさを感じそうですよね。 参考資料 繁田信一 『平安朝の事件簿 王朝びとの殺人・強盗・汚職』 文藝春秋 2020年 ▶続きの【後編】記事の『「結婚祝は『源氏物語』より、ジュエリーが欲しい!」教養がないと、そのよさがわからない調度品ばかりを持って「嫁入り」していた姫たち』では、平安時代の嫁入り道具についてお届けします。
アメリカ文学研究/ライター 西田梨紗
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