良かれと思った行動が、実は相手を苛立たせていた!?「精一杯ほめたのに反応が悪い・ありがとうの一言がなくてがっかり」すれ違いが生まれる理由とは
誰かの言動にモヤっとすることはありませんか?人間関係研究家の稲葉真由美さんいわく、「嫌なヤツ、あの人とは合わない」と思っていた相手でも「受け止め方」を変えるだけで、その見え方は180度変わるとのこと。今回は、なぜ人間関係で不平不満が生まれるのか、その原因をご紹介します。 【書影】ストレスにならない「受け止め方」を紹介『性格が合わないんじゃなくて話がかみ合っていないから』 * * * * * * * ◆その言葉、ちゃんと伝わってる? Aさんが上司に頼まれた資料を作って、提出しました。 上司は「おお! すごいじゃないか!」とAさんを精一杯ほめます。 でも、Aさんは喜ぶどころか不服な顔をしています。 なぜAさんが喜ばないのか、その理由がわかりますか? 人は、自分が言われて嬉しい言葉を相手にかけます。 あなたにとってのほめ言葉はなんでしょうか? 「すごいね!」と大げさに言われることが嬉しい人は、相手をほめるときにも「すごいね!」と言い、「ありがとう」と言われることが嬉しい人は、相手をほめるときにも「ありがとう」と言います。 誰でも、自分が言われて嬉しい言葉は、相手にとっても嬉しい言葉だと思い込んでいるものです。 「思い込み」と言い切れるのは、相手から想定通りの反応をもらえることはあまりないから。上司が「喜ぶだろう」と思い込んでかけた言葉も、Aさんにはほめ言葉として受け取ってもらえなかったのです。 あなたにも、相手に言葉がうまく伝わらなかったり、相手の言葉があまり理解できなかったりして、悩むことがあるでしょう。
◆自分と相手の価値観は同じだと思い込んでいる たとえば、こんな経験はありませんか? 精一杯ほめたのに反応が悪くて損をした 「適当にやって」と上司の指示がわかりづらくて困った 「ありがとう」の一言がなくてがっかりした ちょっとしたことだけど、期待通りの言葉や反応をくれない相手に不満を抱いてしまう。そんなことが日常にはたくさんありますよね。 人間関係の中で不平不満が湧き起こるとき、実は原因は相手の性格にあるのではなく、自分と相手は「同じ」だという思い込みにあることが多いのです。 さきほどの例でモヤッとするのは、 「大げさにほめられたら、誰でも嬉しいでしょ」 「仕事は細かく指示されたほうが進めやすいはずだ」 「こまめに『ありがとう』を言うのが当たり前だよね」 こんなふうに自分と相手の価値観は同じだと思い込んで、コミュニケーションをとってしまっているからなんですね。