黒木華 × 藤間爽子インタビュー「どこか似ている、だから自然と仲良くなれた」
芝居からもらった大切なもの
──もし二人がお互いにギフトを贈るとしたら何を選びますか。 黒木「爽ちゃんは夜の寝つきがいいほう?」 藤間「眠れないときもあるよ」 黒木「じゃあ、アイマスクを贈りますね。今、ハマってるの。温感と冷感も選べて光を完全に遮断するから、確実に睡眠の質が変わる気がする」 藤間「眠れるといえば、以前使っていたマットレスがイマイチで、最近、アスリート愛用の高性能マットレスに変えたんです。そしたらすごく良くて。おすすめしたい!」 黒木「あとで商品名だけ教えて」 ──おすすめ健康グッズを紹介し合う感じになりましたね。これまでに感動したギフトは? 黒木「以前『るつぼ』という舞台に出演したとき、堤真一さんが、台本に登場するライラックの香りの香水をくださったんです。特別な日ではなかったけれど役作りになればと。贈り方も含めて、なんてスマートなんだと感動しました」 藤間「私は、日本舞踊の師匠が昔使っていた古い着物を流派の方が巾着やバッグにリメイクして贈ってくださったことがあって。師匠やリメイクしてくれた人の温もりを感じて、感動したプレゼントでした」 ──贈り物には想いが込められますが、〝想い〟として受け取ったギフトで印象的だったものは? 黒木「2010年のNODA・MAP番外公演『表に出ろいっ!』で、野田秀樹さんと十八代目中村勘三郎さんの娘役を演じたんです。これは私が当時の事務所に所属するきっかけになった作品だったのですが、普段から親友同士のお二人の掛け合いを間近で見ることができた、あの時間は俳優として大切なものをいただいたと思っています。上質な大人の遊びといった感じで、噴き出すのをこらえるのに必死でした。先輩方からいただくものは、具体的な言葉でなかったとしてもとても大きいです」 藤間「私も芝居にまつわることです。芝居を始めたばかりの頃に参加したワークショップで、全てを見抜く先生に出会いました。私が抱えていたコンプレックスをズバズバ言い当てるんです。今でも私を奮い立たせてくれる強烈な一言でした」 ──ギフトといえば「ギフテッド」という言葉もあります。二人にとって天から授けられた才能とは? 黒木「運の良さです。私はすごく運がいいと思います。人との出会いや、今こうして好きなことをやれているのも運が良かったから」 藤間「私も出会いの運には恵まれているかな。最近よく才能ってなんだろうと考えるんです。華さんに出会いの運があるのは、たぶん華さんご自身の努力で引き寄せているんだと思います。天から授けられたものというより、努力の賜物です」 黒木「だから、私たちの周りには素敵な人がたくさん集まるのかもね」 藤間「努力しているから(笑)」 黒木「でも、爽ちゃんは確実に日本舞踊の才能があるよね」 藤間「あれは続ける努力です。でもそう考えてみると、私たち、努力を続ける才能はあるかも」 黒木「確かにそれはある!それは胸を張って言えます」 Photos:Takahiro Idenoshita Styling:Mayu Takahashi(Haru Kuroki), Lee Yasuka(Sawako Fujima) Hair & Makeup:Katsuhide Arai (Haru Kuroki), Shiho Sakamoto at Glassloft(Sawako Fujima) Interview & Text:Miho Matsuda Edit:Mariko Kimbara, Miyu Kadota