ネットフリックス創業者、北米のスキーリゾートを「アートな目的地」へ
米ユタ州北部のオグデンバレーにあり、パウダースノーで知られる北米最大規模のスキーリゾート、パウダー・マウンテンはこの冬、屋外彫刻や大型のアート作品の鑑賞とスキーを同時に楽しむことができる、世界で最も示唆に富んだリゾートに生まれ変わろうとしている。 この計画を主導するのは、ネットフリックスの共同創業者で前CEOのリード・ヘイスティングスだ。2023年1月に同社のCEOを退任し、4月にこのパウダー・マウンテンの少数株主となったヘイスティングスは、9月には新たに1億ドル(約145億円)を投資。支配株主となっている。 ヘイスティングスは発表した声明で、この計画について次のように述べている。 「スキーリゾートから住宅を所有する人々のコミュニティ、そして屋外美術館まで、私たちは『パウダー』でのあらゆる体験を、明確な目的を持ったものにしたいと考えています。その考えを実現するのが、この山に芸術を取り入れることです」 「私たちはパウダーを、レクリエーションとアート、コミュニティ全体にとっての意義深いつながりが一体化された、季節を問わずいつでも訪れたい場所にすることを目指します」 ■2026年に本格開業へ パウダー・マウンテンには154のトレイル、9基のリフト、2カ所のテレインパークがある。このスキーリゾートに野外美術館とビジターセンターを完成させるため、ヘイスティングスはすでに、最高のメンバーからなるチームを組織している。 美術館の設計は、ニューヨーク州にある野外美術館「ストーム・キング・アートセンター(Storm King Art Center)」とマサチューセッツ州の「デコードバ・スカルプチャ―・パ―ク・アンド・ミュージアム(deCordova Sculpture Park and Museum)」を手掛けたランドスケープ・アーキテクチャーのリード・ヒルダーブランドが担当する。 ビジターセンターは、シカゴ現代美術館(Museum of Contemporary Art Chicago)の再設計を請け負った建築設計事務所、ジョンストン・マークリー(Johnston Marklee)が請け負う。 香川県にある瀬戸内海のアートの島、直島からもインスピレーションを得たというこのプロジェクトの芸術プログラムは、マシュー・トンプソンがキュレーターを務める。