ヴェゼルの魅力がアップ マイナーチェンジでHuNT(ハント)とPLaY(プレイ)登場!
2021年4月にデビューした2代目ヴェゼルがマイナーモデルチェンジ(MMC)を受け、4月26日に発売された。MMCの内容については「ブラッシュアップ」の表現がぴったりくる。エクステリア、インテリアともに持ち前の魅力に磨きがかかり、快適性と利便性が向上。走る楽しさの面でも進化を果たしている。 TEXT:世良耕太(SERA Kota)PHOTO:小林直樹(KOBAYASHI Naoki) グレードバリエーションは整理した。従来はガソリンのG(FF/AWD)が販売価格面でベースにあり、ハイブリッドはe:HEV X(FF/AWD)、e:HEV Z(FF/AWD)、e:HEV PLaY(FFのみ)の順に装備が充実していった。ヴェゼルのイメージを牽引したのは最上級のe:HEV PLaY(プレイ)だったが、AWDが選択できなかったのに加え、パノラマルーフの供給制約により長納期化を招いた課題があった。 MMC版ヴェゼルはガソリンのG(AWDのみ)、ハイブリッドのX(FF/AWD)、Z(FF/AWD)のシンプルなグレード構成とした。GとXのステアリングホイールは従来ウレタンだったが、MMC版は本革巻きを標準装備とし、ドアのソフトパッドにステッチを入れるなど、装備を充実させている。 最上級のZには、ハイビームとロービームを自動で切り替え、照射範囲を制御するアダプティブドライビングビームを標準で装備。好評だったPLaYは単独での設定からZベースのパッケージオプションとし、AWDも選択可能とした。また、長納期の原因だったパノラマルーフをオプション設定とすることで、納期短縮を図っている。 また、ハイブリッド系のベースグレードであるXには、「都会とアウトドアをおしゃれに、気軽に行き来できるアーバンアウトドアスタイル」のHuNT(ハント)をパッケージオプションとして設定した。識別点のひとつはルーフレールだ。 エクステリアとインテリアは、洗練と美しさに磨きを掛けた。エクステリアではフロントグリルとフロントバンパーの形状を一新。水平基調のキャラクターラインを際立たせるため、リヤコンビネーションライトを水平2段のグラフィックとし、オールLED化した。ウインカーの光源をバルブからLEDにしたのが大きな変化点である。CMF(カラー・マテリアル・フィニッシュ)担当の岩崎麻里子氏は、「(MMC前は)バルブなんだぁ、という残念感があったので、絶対にLEDにしたかった」と説明する。こだわりが詰まった部分だ。 インテリアも水平基調をテーマに進化させた。1段だったセンターコンソールが2段になった変更が大きい。下段のワイヤレスチャージャー(メーカーオプション)はドライバーが使い、上段は助手席のパッセンジャーがスマホ置きに使うという使い分けができるようになった(近くにUSBタイプAとタイプCの端子を設置)。 メーターには、ブレーキランプやヘッドライト、ウインカー、バックライトの点灯がわかる自車表示機能を追加。アダプティブクルーズコントロール使用時にシステムの判断で減速させた際は、ドライバーがブレーキペダルを踏んでいなくてもブレーキランプが点灯する場合がある。このような際に自車の状態が把握できるので便利だ。 細かなところでは、リヤ席のセンターアームレストに取っ手を付けたのが変化点。従来はアームレストを引き出すと前下がりになっていた。この状態で手を置くとしっくりこないという声に対応した改良だ。MMC版のアームレストは取っ手の厚みがあるぶんだけ水平に近くなる。また、リヤ席のヘッドレストはソフトな触感にしつつ大型化し、快適性を高めている。 エンジン LEC-H5 エンジン形式:1.5L直列4気筒DOHC 排気量:1496cc ボア×ストローク:73.0mm×89.4mm 圧縮比:13.5 最高出力:106ps(78kW)/6000-6400rpm 最大トルク:127Nm/4500-5000rpm モーター H5型交流同期モーター 最高出力:131ps(96kW)4000-8000rpm 最大トルク:253Nm/0-3500rpm G(ガソリン)、X(ハイブリッド)、Z(ハイブリッド)のノーマルタイプはシンプルかつクリーンに進化させた一方、PLaYは個性を引き立てた遊び心あるコーディネーションとし、HuNTはアウトドアの雰囲気を気軽に楽しめるコーディネーションとした。前出の岩崎氏はPLaYとHuNTの設定について次のように説明する。 「最量販となるノーマルタイプの質感をしっかり上げることで、雰囲気の違うバリエーションを設けることができました。コロナ禍での開発だったので、『自然の中に出ていきたいよね。もっとワクワクしたいよね』と。私の中では選ぶ楽しさは絶対に欲しかった。ノーマルのZを買ったとしても、街でPLaYやHuNTを見かけると楽しくなる。お互いに引き立て合うようなバリエーションを目指しました」