オールブラックス戦との大一番へ、FW合宿、BK合宿で充実の3日間を過ごす
梶村と小山はエディージャパンでの手応えをこう振り返った。 梶村「久々のエディージャパンであり、日本代表の試合というのもすごい久々だったので、『PNC』準決勝、決勝と時間は限られていたが、その中で自分としてはインパクトを残そうと思ってプレーしたので、感触としては悪くなかったと思っている。エディー(・ジョーンズ)さんと話した感想は、あまり大きく変わっていないので、緊張感もありながら、チーム全体でピリピリした感じがあるのはすごくいいことだなと思っている。 アタックのイメージを結構持たれていたと思うが、ディフェンスの部分の変化を感じてもらえていると思う」 小山「ジャパンに来てやっぱりパスの精度はより一層大事だとすごく勉強させてもらっている。捌く時のラックへの入り方とか。これまではラックができる前に早く寄ってきたが、ラックができてボールをちょうど見えるぐらいのタイミンで入っていくと捌きやすいので、意識しながらやっている。 (ジョーンズHCからの要求は)厳しい。SHが主導してやっていかないといけないところもあるので、結構厳しく言われている。シェイプにも慣れてきましたし、自分たちのチームとは走り込んだり違うパターンもあるが、ちょっとずつ慣れてきたと思う」 梶村は自身の強みをこのように分析した。 「このチームの中ではそんなに若い選手ではないので、特に意識しているのはもらえた1回のチャンスの中でコリジョンエリアのインパクトをしっかり残すこと。ボールキャリーは自信があるのでそこは必ず成果を残したい。あとディフェンスは絶対ドミネイトを狙うというのを自分の中でターゲットにしている。そこは今の自分の成長をしっかり試合の中で成果として出していきたい。 ボールキャリーは自分の一番の強みなので、今季ディフェンスが良くなったとはいえ強みは変わらないと思っているので、しっかりとアピールしていきたい。 ディフェンスは結構間合いを詰めたいタイプなので、できるだけ相手に接近した状態でタックルをしているが、日本代表は外側にプッシュしていくシステムなので、そこは結構最初戸惑いはあった。フィジー戦のゲームウィークの練習で修正しながらやってきた」 小山は次のように超速ラグビーへリードしようとしている。 「強みは早いテンポでディフェンスを置き去りにすることだと思うが、ハンドリングエラーとかでボールを失うとナショナルチーム相手だと一気にトライを取られてしまう。ハンドリングエラーを減らしていけば、すごくいいラグビーになっていくと思う。 コーチ陣からは『できるだけボールを動かしたい、止めたくない』と言われていて、止めるとフィジカルで結構やられてしまう。できるだけ早く捌きながら、押し戻されたり、ファンブルが起きた時は1回コントロールして、キックを蹴るのか、もう1回攻めるのか、SHと10番で判断している。相手のセットができない状態でできるだけ捌きたいというイメージ」 オールブラックス戦へ向けて、BKのふたりは抱負をこう語った。 梶村「(2018年の試合は)社会人1年目で、確かに勢いはあったが、テストマッチレベルでプレーできる自信というのはあまりなく、課題があるから出れないと自分でも理解していた。当時は悔しいより、ツアーの中でキャップを得る機会がほしいとは思っていた。 今季はリーグワンでもずっと長いシーズンを戦ってきて、オールブラックス戦に出れるだけのパフォーマンスは残してきたと自分でも思っている。まずチーム内競争に勝たないといけないし、実際今は調子のいいCTB陣がふたり並んでいるので、そこに食い込むためにも練習でも『これくらいでいいや』ではなく、持てる力を全て発揮することが大事だと思っている。出たらやれる自信は今はある」 小山「オールブラックスはカウンターアタックがすごく得意なチームだと思う。ラックを作らなくてもトライを取り切れるチーム。ディフェンスの整備、アタックからディフェンスに変わった時の切り返しの意識がすごく大事になってくると思う」 10月16日よりFWが宮崎合宿へ合流し、全体練習を開始。あと10日足らずで日本代表はどれだけ仕上げていくことができるのか。『リポビタンDチャレンジカップ2024』日本代表×オールブラックスは10月26日(土)・日産スタジアムにてキックオフ。チケット発売中。 取材・文:碧山緒里摩(ぴあ)