これからの幼児教育、もう「学歴だけ」では食べていけない社会で子育てする親の「3つの悩み」に専門家が答える
「早期教育」「幼児教育」「小学校受験」の3つの言葉を整理する
――将来生き抜くためには、子どもにどのような教育をすればばよいのでしょうか。 矢野:多くの親たちが、「早期教育」「幼児教育」「小学校受験」という3つの言葉をごちゃまぜにしてしまっています。ちょっと整理しましょう。 「早期教育」は、言い換えれば「先取り学習」であり、子どもの成長の時期にはあまりこだわらずに、英語や算数を学ばせるといったことです。子ども本人がやりたいと希望するのであればよいのですが、とりあえず早く始めておけばいいやという考えでは、いろいろな問題や課題が出てきます。 「幼児教育」は、小学校といういよいよ本格的に始まる社会の入り口で楽しい学校生活が送ることができ、充実した毎日を過ごすために、そして将来すてきな大人になるために「生きる力」を身につけることです。 子どもの成長は各々違いますから、成長スピードをしっかり意識したうえで、幼児期の適切なタイミングで、将来のための基礎や基本の力を学んでいくといいでしょう。 「幼児教育」は、小学校に入学する前までに、子どもの将来のためにしておいた方がよいことなのです。お住まいの都合で小学校受験ができない家庭でも、小学校受験はしないけれど幼児教育の取り組みはする、という選択もできます。 そして、「小学校受験」で問われているのは、「幼児教育」が家庭できちんと行われているかどうかはもちろん、子どもにどのような大人になって欲しいのか、そのために小学校生活を通してどのような学びや経験をして欲しいのかという親のビジョンです。 「幼児教育」の取り組みをするなかで「小学校受験」をするか、しないかという選択をするのもいいでしょう。 …つづく、矢野文彦さんの前編記事「慶應、早稲田、青学、雙葉「小学校の最難関校」が、これからの受験で求めている「4つの力」…平成とはココが違う」では、平成と令和の受験の違いを取り上げつつ、学校が子どもと家庭に何を求めているかをお伝えしています。 聞き手/高木 香織
矢野 文彦、高木 香織