地域猫活動 長野県松本市が支援本腰 不妊・去勢手術補助幅広く
長野県松本市が昨年度、新たな仕組みで始めた「地域猫活動」の実績がまとまった。市保健所に登録した21団体が管理する猫328匹のうち、204匹分の不妊や去勢手術費用を市が補助した。「地域猫活動」は、飼い主がいない「野良猫」を減らす取り組みで、市は活動の浸透を図ろうと公式ホームページでPRしている。 市は令和4年度まで、県動物愛護会を通じて猫の不妊や去勢手術の費用を補助してきた。愛護会と関わりのない飼育団体があることから昨年度に制度を見直し、市保健所に登録した団体に補助する形にした。 市は雌猫の避妊手術に上限1万6500円、雄猫の去勢手術に同8800円を補助する。市保健所食品・生活衛生課によると、地域猫の手術数は動物愛護会を通じて行っていた3年度が148件、4年度が158件だったが、市保健所が直接補助することになった昨年度は、希望する団体が増えたこともあり、前年度に比べて50件近く増えた。 波田で地域猫活動をする「ぽっかぽっか猫の会」は雌8匹、雄7匹の手術を市の補助で行った。代表の齋藤暁美さんは「団体だけで手術するのは難しいので助かった。野良猫を少しでも減らすことができれば」と話していた。 地域猫の登録は、世帯の異なる3人以上で団体を構成し、決められた餌場やトイレを設置して近隣住民に周知した上で、撮影した猫の写真などで書類を作成し、市保健所に申請する必要がある。 市によると、車にひかれるなどして路上で死んでいた猫の収容数は令和元年度は544匹だったが、年々減少傾向にあり、昨年度は422匹まで減った。市保健所は「地域猫を増やすことで、餌を求めてさまよう野良猫が減り、路上死亡も減らせる」と話している。
市民タイムス