子どもたちが狙われる!性加害の新たな手口 親も気づきにくいSNSを通じた「セクストーション」とは?
2023年、深刻な被害が次々と明らかになった旧ジャニーズ事務所の性加害問題。こうした、特に子どもの性被害はいま、世界的に問題視されている。キーワードとなっているのが「セクストーション」。SNSを通じて子どもを狙う新たな手口だ。あなたの子どもにも驚くべき犯罪の魔の手が伸びているかもしれない。 (社会部 高柳遼太郎)
■旧ジャニーズ事務所の問題が呼び起こした「性加害」への関心
2023年、旧ジャニーズ事務所のジャニー喜多川元社長から性加害を受けたとして、以前事務所に所属していた多くの男性が声を上げた。国連人権理事会の作業部会が来日し、問題について調査を行うなど、国際社会の関心も高かった。
■新たな手口「セクストーション」がSNS上で広がりを見せる…
2023年12月、茨城県水戸市で開かれたG7内相会合。柱の1つとして議論が行われたのが「児童の性的搾取」だった。この場で各国が強調したのが、SNSで犯罪者が児童をおびきだし、脅してわいせつな行為をする手口「セクストーション」への対策だ。2024年も広がりを見せるだろう「セクストーション」とはどのような手口なのか?捜査関係者によると、2023年に国内でも確認され始めたといい、2つの事例がある。
■SNSでやりとりしていた“女性”が豹変し…
男子中学生のAくんは、SNSで年齢不明の女性Bさんと知り合った。やりとりをしていると、ある日突然、Bさんから「わいせつな画像を送り合おう」と持ちかけられ、すでに気を許していたAくんは送ってしまう。 するとBさんは豹変。「画像を拡散されたくなかったら、○歳から○歳までの年齢の男性を紹介しろ」と脅してきた。Aくんがその幅の年齢で思い当たるのは、以前通っていた地域のスポーツチームのコーチで20代前半の男性Cさんしかいなかった。そのため、BさんにCさんを紹介。するとBさんは「CさんとAくんでわいせつな行為をしろ」とさらに要求してきた。 画像を拡散されたくないAくんは仕方なくその要求に応じ、「2人で頑張ろう」と優しく接してくれたCさんとわいせつな行為をしてしまった。しかし実はこれにはカラクリがあった。なんと、女性だと思っていたBさんはコーチのCさんがなりすましていたアカウントだったことが発覚。CさんはAくんにわいせつな行為をしようとして、女性を装って脅していたのだ。 事件発覚後、Cさんは児童福祉法違反などの疑いで逮捕された。「拡散されたくなかったら」などと言って脅すこの事例が、まさに「セクストーション」だ。