大逆風なのになぜか上がる意外すぎる「JT株」を分析して見えた…!「成熟企業の勝ち筋」と「珠玉の“高配当”5銘柄」を一挙公開する!
「意外すぎる企業」の株価が上がっていた…!
年始から始まった「新NISA」の効果は依然として継続し、個人投資家界隈の「株式投資」は盛り上がっている。また、昨年来のPBR改革も日本株市場における議論の中心にあり、6月末の株主総会の本格化に向けて、各企業への市場の注目が集まっている。 【一挙公開】期待大…なぜか上がる「“高配当”5銘柄」を見る! 前編「たばこ産業「JT」の株はなぜ上がるのか…? 「新NISA」と「PBR割安」効果が継続中の日本株で、「JT株」が圧倒的に上昇した秘密」でもお伝えしたように、日本株を押し上げているこれら2つのテーマには、「配当」という共通要素がある。 そして、この単純明快な相互関係が築かれていく中で、その需給の恩恵を強く受けている銘柄がJTだ。その上昇の勢いは下記の図で確認していただきたい。 図:日本たばこ産業(JT)の株価の推移 外需企業が幅を利かせ、ボラティリティの高い銘柄が多くを占める日本株市場の中で、JTのような大型株がこの美しい上昇チャートを描くようなケースはそうそう存在しないだろう。 では、前提として、これまでのJTの業績について、たばこへの逆風があったとしても、この株価の上昇を正当化できるほどに好調であったのかを確認してみたい。
なぜ、「JTの株価」は上がり続けるのか…?
まず、以下の図は同社の過去12ヵ月の実績売上高および純利益の推移を表したものである。 図:日本たばこ産業(JT)の売上高と純利益の推移(5年前=1) たしかに、2022年前後からは順調に業績の回復を続けているようだ。 足元も、階段状にもう一段売上高も純利益も上昇していることが分かる。とはいえ、2023年のように、横ばいで成長が停滞している時期も見られ、右肩上がりかつ連続的に上昇を続けてきたわけでもなく、株価の力強い上昇の勢いに比べるとやや地味な印象をぬぐえない。 むしろ、利益が急回復を見せた2023年前後は、株価の方はそこまで強い上昇を演じていたわけではなく、加速度的な勢いをつけ始めたのはむしろその後のタイミングだ。 ただ、緩やかなペースであったとしても、今では忌み嫌われるたばこを主力とする同社がしっかりと業績を伸ばしていること自体は、改めて確認すると少々面食らってしまう。この株高の要因は、本当にたばこの需要の伸びによるものなのだろうか。 過去には、2015年に撤退するまでに飲料事業などを幅広く展開していた印象もあるが、現在も何か他の事業に手を拡げたことで業績を伸ばしているのではないだろうか。 そこで、同社の売上高のセグメント情報を確認したところ、現在はたばこ事業、医薬品事業、そして加工食品事業を展開しているようだ。 しかし、その内訳は90%以上がたばこの売上高であり、医薬品や加工食品の影響はやはり微々たるもので、他の製品やサービスで業績全体を伸ばしているわけではなさそうだ。
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