菜七子は女性騎手初挑戦のG1で勝てるのか?
歴史的瞬間が刻一刻と迫ってきた。デビュー4年目の藤田菜七子騎手(21、美浦・根本厩舎)が17日、東京競馬場で行われるフェブラリーステークス(ダート、1600メートル)に目下4連勝中のコパノキッキング(セン馬4、栗東・村山厩舎)とのコンビで挑む。JRA女性ジョッキーが最高峰のG1レースに騎乗するのは史上初だ。果たして菜七子は勝てるのか? 快挙達成の胸騒ぎを覚えている人は少なくない。
不安と緊張のG1初騎乗
緊張と不安が美女ジョッキーの胸中を巡る。 「不安で緊張する気持ちと楽しみな気持ちとあります。でも、今は楽しみな気持ちの方が大きいです」 まさか、こんなに早くG1騎乗が実現するとは思っていなかった。しかも、コンビを組むのは重賞連勝中の有力馬だ。いま、まさに平成の最後に歴史的な1ページが刻まれようとしている。 藤田菜七子騎手が言う。 「最初に聞いたときは信じられない気持ちでした。まさか乗れるとは思っていなかったので、とてもうれしかったです。いつかはG1レースに乗りたいと思っていましたから」 運命の電話を受けたのは1月27日の中京競馬場。同日、東京競馬場ではO・マーフィー騎手が手綱を取ったコパノキッキングが前哨戦の根岸ステークスを勝っていた。今回、粋な演出をした風水で有名な”Drコパ”こと小林祥晃オーナー(71)が、その場面を明かしてくれた。 「G1に乗せるプランはずっと温めていました。伝えたのは根岸ステークスの後。帰りのタクシーに村山調教師と乗って、銀座へ向かっているとき、そういえば本人に伝えてないな、となって。アキラ(村山調教師)に電話してもらい、私にも代わってもらって。“頼むね”と伝えたら“本当ですか?”って、声を弾ませていました」 実はコパノキッキングへの騎乗依頼は今回が2回目だった。昨年12月のカペラステークスで一度オファーを出したが、そのときは藤田騎手に先約があって幻に。今回晴れてコンビが実現したわけだ。 「どうせ乗せるならG1で良かったんじゃないですか。盛り上がっていいでしょう」とコパさんは話す。