「住宅ローン金利はいつ上がる?」「知らないうちに引き上げられる?」気になる質問に銀行員が回答
お客様の声4.「金利を上げるなら他に借り換える」
お客様「金利が引き上げになるなら、いっそのこと他の銀行に借り換えしようかな?」 銀行員・加藤「まあまあ、そう結論を急がれなくても。よろしければあちらでお茶でも」 金利を下げられる人は下げる、しかし・・・ 金利上昇の話題が多くなってきた最近は特に、「金利を引き上げるなら他の銀行に行くよ!」と「予防線」を張る方もいます。 しかし、銀行員に対して「あおり」や「ブラフ」をかけたとしても、銀行があわてて金利を下げるようなことはありません。とはいえ、金利に不満を持っていることを打ち明けてくれた場合、金利を引き下げて「慰留」をし、ローン流出を防ぐ対応をすることもあります。 ただし、返済を滞納している人などに対しては、銀行側が引き下げに応じてくれないこともあります。住宅ローン金利の引き下げは、少なくとも毎回返済という約束を果たしているお客様である、というのが大前提です。そもそも、返済が遅れているのであれば、他の銀行の借り換え審査に通らない可能性が高いとも考えられます。そのため、金利が引き下げられることはないでしょう。
お客様の声5.「自分だけは金利を上げないで!」
お客様「自分だけは特別に金利を上げないで!絶対に誰にも言わないから!」 銀行員・加藤「いえいえ、お客様だけ特別扱いはできません。すべての方が特別なお客様です」 お客様は全員「特別扱い」 住宅ローンの金利が引き上げになるときでも、自分の金利だけは上げないでほしい。このように自分だけを特別扱いしてと要求される人も少なくありません。 しかし、一部の顧客だけを特別扱いしたことが外部に漏れると、大きな問題に発展することもあります。 さらに、銀行は顧客の属性(年収や職業・勤務先など)や銀行取引内容などで個別に金利を決めるため、初めから人によって金利は違っています。これを「特別扱い」あるいは「依怙贔屓(えこひいき)」だとは、銀行では考えません。銀行も営利企業ですから当然です。 そのため、もしも今後、金利引き上げの局面を迎えた際の対応も個別に違ってきます。その意味では「あなただけ特別」でもあり「みんな特別」なのです。 ちなみに私は、金利に不満を訴えるお客様に対し「あなただけ特別な低金利対応をするので、くれぐれも他の人には言わないでください」と付け加えることもあります。そしてそのセリフは、次のお客様に繰り返すこともありますし、またそれを聞いたお客様が口外しないとも信じていません。もちろん、聞きつけた人から「自分の金利もあの人と同じにしてよ!」と言われても、やり取りの事実の有無を含め「お客様の個人情報なのでお話しできません」と答えるだけです。