「住宅ローン金利はいつ上がる?」「知らないうちに引き上げられる?」気になる質問に銀行員が回答
お客様の声3.「金利が上がりそうなら教えてよ」
お客様「忙しくて金利の心配をする余裕がない。金利が上がりそうなときはメールとかで教えてほしい」 銀行員・加藤「大丈夫です。金利が変更になるような場合には、必ずお知らせをする決まりになっています」 本人が知らなくても「お知らせしましたから」 金利変更がある場合、銀行は少なくとも数カ月前に、対象の顧客宛に郵送で通知をします。これは変動金利でも固定金利でも変わりません。 仮に変動金利の引き上げのような大々的な動きが起こるとすれば、通常の郵送通知だけではなく、ホームページや、場合によってはテレビ・CMなどでお知らせをしたり、個別に顧客へ電話・訪問などで説明したりといった対応もあり得ます。 ただし注意すべきなのは、転居(※1)や電話番号の変更があったことを銀行に届け出ていなかったような場合です。このような状況で金利変更などの重要な通知を受け取れず、その事実を知らなかったとしても、銀行側は「お知らせしました」と対応するしかありません。 宛所不明や転居などの理由によって、郵送物が銀行に戻ってきた場合でも顧客に届いていることとなります。なぜなら、顧客から住所変更などの届け出がなかったことが原因だからです。こうした注意事項は住宅ローン契約書類や規約などに記載されており、契約書類に署名捺印した時点で本人も承知していることとなっています。最善の手段を尽くしても連絡が取れなければ「金利変更の通知は顧客に届き、金利変更も承諾された」こととなり、銀行は所定の金利引き上げ手続きを進めます。 幸いというべきか、これまで私の銀行員生活で、住宅ローン変動金利の一斉引き上げといった事態はありませんでした。しかし、固定金利期間が終了(※2)するお客様が転居してお知らせが届かず、自動的に変動金利へ変更となり、後日「勝手に変動金利にされた」とお客様があわててやってきた、という経験はあります。 住所や電話番号など変更がある場合は、必ず銀行に連絡して変更手続きをするよう、銀行員としてお願いします。 ※1 原則として、住宅ローンを借りた人がその家から転居すると、住宅ローンとして成り立たなくなります。しかし一時的な転勤などで数年間など転居する場合などは特例的に銀行も転居を認めます。またローンを借りた本人だけ単身赴任する場合など、本人限定郵便物などが届かないケースも想定されますので、まず銀行に連絡するようにしてください。 ※2「金利ミックス型」などと呼ばれる金利タイプで、3年・5年・10年などの期間で固定金利を選択し、固定金利の期間が終了したら、もう一度固定金利を選ぶか、変動金利に変更することも選択できます。また上記したケースも含め「固定金利を再選択しなかった場合は、変動金利へと自動的に変更される」という形態が主流です。しかし自動的に変動金利へ変更された場合には金利優遇なしで基準的な金利になってしまう可能性もありますので、注意が必要です。