【東山】初の日本一となったインターハイ同様、ビッグゲームで勝利につながるプレーを見せたシックススマンの小野寺 | 高校バスケ ウインターカップ2024
大澤コーチは「(3年生として勝利に対する)思いの部分がディフェンスでもオフェンスでも違ったので、今日は(1年生の中村)颯斗を休ませて小野寺に託した」という言葉を残したが、80対80の同点で迎えた残り27秒、小野寺はディフェンスで痛恨のミスをしてしまう。ベースラインからのインバウンズ・プレーで金子をノーマークにさせて勝ち越しのレイアップを許しただけでなく、ファウルの笛を吹かれてしまったのである。
東山にとって幸運だったのは、金子のフリースローが外れて3Pプレーにならなかったこと。残り14秒で瀬川がフリースロー1本目をミスしたため同点に追いつけなかったが、ファウルゲームを使って残り11.1秒で時間を止めた東山は、藤枝明誠の篠原が2本とも外したことで東山にラストチャンスがやってくる。
サロモンがリバウンドを奪った後にボールをもらった瀬川は、ハーフライン付近でバランスを崩してしまい、ターンオーバーなるかと思われた。幸運にも瀬川の手から離れたボールは、左サイドを走っていた小野寺がキャッチし、ドライブで仕掛けたタイミングでファウルされたのである。
残り時間は3.9秒。東京体育館が静まり返る中、「焦ってしまったら絶対に外してしまうので、そこは平常心で、自分が今まで悔しい思いをしてきたので、その思いを心に込めて打ち切れたのでよかったです」という小野寺はフリースローを2本とも着実に決め、土壇場での逆転勝利に貢献した。
小野寺が口にした悔しい思いとは、1、2年生の時にベンチ外となるなど、なかなか試合に出られない時期が続いたこと。昨年のウインターカップで出場できる選手として登録されるも、福岡第一に負けた昨年の準々決勝は、ベンチで逆転負けを見届けるしかなかった。
しかし、3年生となった今年は、非凡なシュート力とピック&ロールで起点になれるなど、東山に欠かせない重要な戦力となった小野寺。ウインターカップでは3Pショットが12分の2と波に乗れていないが、藤枝明誠戦での決勝点となるフリースローを決めたことをきっかけに、福岡大附属大濠との準決勝では瀬川や佐藤をサポートするだけでなく、シューターとして活躍できるかに注目だ。
文:青木崇
青木 崇
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