フォルクスワーゲン・グループ、ドイツ国内で最大3万人の雇用削減を検討か 2工場閉鎖も
研究開発にも多大な影響
ドイツのフォルクスワーゲン・グループは収益性の改善に努める中で、ドイツ国内で最大3万人の人員削減を計画している。 【写真】VWの販売を支える人気SUV【フォルクスワーゲンTロックを写真で見る】 (17枚) ドイツの経済誌『マネジャー・マガツィーン(Manager Magazin)』によると、これは国内の従業員の約10%に相当する人数で、同社の研究開発部門に最も大きな打撃を与えることになるという。 同誌は、およそ1万3000人の研究開発スタッフのうち、4000人から6000人が解雇されるだろうと報じている。 フォルクスワーゲン・グループは、2020年までのドイツ国内6工場の雇用確保を保証する労働組合との合意を破棄し、そのうちの2工場を閉鎖することを検討している。 以前にも、ドレスデンとオスナブリュック(フォルクスワーゲンID.3、Tロック・カブリオレ、ポルシェ718ボクスター、718ケイマンを生産)の閉鎖が検討中という報道もあった。 フォルクスワーゲン・グループは「ドイツ国内のコストを競争力のあるレベルまで迅速に削減する」ことを目指している。新型コロナウイルスによるパンデミック以降、同社の自動車に対する需要は依然として回復していない。 ウォルフスブルク本社で最近行われた従業員向けスピーチで、財務責任者のアルノ・アントリッツ氏は「年間約50万台の販売が不足しており、これは約2つの工場に相当する」と述べた。 同社の広報担当者は9月19日の段階で、3万人の人員削減という具体的な数字については言及を避けている。 広報担当者はドイツのメディア『DPA』に対し、「1つだけはっきりしているのは、フォルクスワーゲンはドイツ国内の拠点でコスト削減を行わなければならないということです。魅力的な価格の自動車を提供し、なおかつ将来の投資に十分な利益を確保するためには、これが唯一の方法です」と語った。 「従業員代表者とともに、この目標をどのように達成するのかは、今後協議を進めていくところです」
チャーリー・マーティン(執筆) 林汰久也(翻訳)