アルピーヌ、チョウ・グァンユと来季契約の可能性も…F1の識者は中国自動車メーカーの動きも踏まえ「理にかなっている」|F1
キックザウバーでF1での3年目を迎えているチョウ・グァンユは、来季アルピーヌのドライバーになる可能性があるようだ。 アルファロメオで2022年にF1デビューを果たした中国人ドライバーのチョウ。チーム名がアルファロメオからキックザウバーへと変わった今季は苦戦しており、8レース終了時点で10チーム中、唯一ポイントを手にしていないチームとなっている。 また、同チームは2026年よりアウディに変わることが決まっており、来季のドライバーはニコ・ヒュルケンベルグの加入が内定済み。現ラインナップのバルテリ・ボッタスとチョウは、まだ来季の去就が未定となっている。 そんな中、フランス人F1ジャーナリスト、フレッド・フェレット氏は『F1』公式のポッドキャストを通じ、2025年にアルピーヌはチョウと契約する可能性があると主張した。 「アルピーヌがチョウを迎え入れるとしたら、それは理にかなっている。ジーリー(吉利/Geely)はルノーと非常に関係が深い」 ルノーグループは5月下旬、ボルボやロータス、ベネリなどの株式を持つ中国の自動車メーカー、吉利汽車と共同で「HORSE Powertrain Limited」を設立すると発表したばかり。この動向がチョウの去就に少なからず影響を及ぼすのではないかと見ている模様だ。 「たとえアルピーヌがフランスのチームであっても、中国メーカーと関係のある中国人ドライバーが自チームにいるという状況は、プラスに働くだろう」 『F1』の公式会見や配信番組などで司会を務めるトム・クラークソン氏はこの意見に同調し「確かに多くの条件を満たしている」と返答した。 「アルピーヌはまず、大前提としてピエール(ガスリー)を引き留めたいと考えているはずだ。一方、チョウはかつてアルピーヌのヤングドライバープログラムに参加していたため、アルピーヌ上層部としてもこの経歴は歓迎すべきことだろう」 「特にオスカー・ピアストリに起こったことを踏まえると、育成システム出身のドライバーが、F1の道に達していることを証明する機会になる」 アルピーヌ育成のピアストリは2021年のF2で、圧倒的な強さを見せて総合優勝を果たした。だがフェルナンド・アロンソとエステバン・オコンがレギュラードライバーを務めていた翌2022年はアルピーヌでレギュラーシートがなく、リザーブドライバーを務めることに。 その年限りでセバスチャン・ベッテルがF1からの引退を決め、その代案としてアロンソはアルピーヌからアストンマーティンへと動くことになった。アルピーヌはアロンソの後継者としてピアストリの来季レギュラー昇格を発表するも、ピアストリ本人がこの契約は無効だと主張し、翌2023年からマクラーレンに電撃移籍を果たした。 ピアストリがマクラーレンで卓越した才能を示しているのは周知のとおり。アルピーヌとしては自グループ育成の優秀なドライバーに逃げられるという、失態が大きくクローズアップされた苦い一件となった。