【特集】受刑者が語る なぜ人は『闇バイト』に手を染めてしまうのか【2024年振り返り】
ミヤギテレビ
2024年、多く取り上げられたのが「闇バイト」という言葉。 なぜ人は「闇バイト」に手を染めてしまうのか。 「闇バイト」に関わった受刑者への取材から、その背景と現状をお伝えする。
強盗・特殊詐欺の事件に加担する「闇バイト」
受刑者Aさん 「指示役に、「もしかして詐欺ですか?」と聞いたら『いわゆるそういうことですね』と言われ、やるしかないと続けていたらこのような形になってしまった」 ミヤギテレビの取材に応えたのは、詐欺や窃盗の罪で少年刑務所に服役する受刑者。 気が付けば、「闇バイト」に関わってしまっていたと語った。 「闇バイト」という言葉が各地で繰り返された今年。 高額な報酬をうたい、知らない間に犯罪に関わることとなる「闇バイト」は、強盗、特殊詐欺など様々な事件を引き起こした。
11月、宮城で特殊詐欺グループ男女30人逮捕
県内でも今年11月、特殊詐欺グループの拠点が摘発。 その場所での日頃の様子を目撃していたという人に話を聞いた。 目撃者 「とにかくいろんな若い人たちが結構な数、出入りしてたかな。闇バイトとかそういう人たちのアジトなんじゃないのっていう噂にはなっていました」 高額当選金受け取りサイトや出会い系サイトを通じて、金をだまし取ったとされるのは男女30人。 『簡単なパソコン操作ができれば未経験でも問題なし』 『やる気があれば大丈夫!』 リーダーと幹部を除いて、元々は闇バイトと知らずメールオペレーターという内容に応募してきたメンバーだった。
「これ、もしかして詐欺ですか?」
なぜ、闇バイトに手を染めることになるのか。 盛岡少年刑務所で話を聞いたのは、関東で特殊詐欺の実行役となった20代の受刑者Aさんだ。 受刑者Aさん 「受け子から現金を回収する“2番手”という役割をやっていた。」 担っていたのは被害者から奪ったお金を詐欺グループの上層部に渡す役割。 Aさんがこの世界に足を踏み入れたのは、お金が必要だったからだと言う。 受刑者Aさん 「介護の仕事をしていたが上司との人間関係がうまくいかずに解雇されてしまった。当時は同棲する内妻がいたが、自分が解雇されたことでお金が足りなくなりどうしようとなった時、最終的に切羽詰まって何でもいいからとたどりついたのが『高収入、運送業」』が目に入りSNSで応募した。自分から闇バイトを探していたわけではなく短期間ですぐに稼げるような仕事を探してでてきたのが闇バイトだった」 途中で異変を感じたが、抜け出すことはできなかったと言う。 受刑者Aさん 「なんかおかしいなと思いとりあえず荷物を受け取り指示役に『もしかして詐欺ですか?』と言ったら、『いわゆるそういうことですね』と言われ、『自分はやりたくないです』と話したが、『住所も名前も知ってるからね』と脅され、内妻や周りの人に迷惑をかけたくないと思いやるしかないと続けていたらこのような形になってしまった」 個人情報や人間関係を悪用され、退路を断たれる形となる「闇バイト」。 その入口となっている1つがSNSだ。