ドラマ『RoOT / ルート』OP曲の制作で意識した点は? Bialystocksの甫木元空が語る
受験の課題のために屋久島へ
続いて、甫木元がこれまでに体験した旅の話を聞く。まずは「思い出に残っている旅」について。 甫木元:大学受験のときの課題が「旅で得たものをゆうパックに入れて大学に送ってください」というものだったので、父親に「どこに行くのがいいかな」みたいな話をしたら、「屋久島に友だちがいるから行ってこいよ」といわれて、屋久島に2週間ぐらい滞在しました。マンゴー農園で働きながら(笑)。朝起きて、マンゴーに肥料をあげて、空いた時間には屋久杉とかを案内してもらえて、いろいろな写真を撮って、ゆうパックに入れました。それまで、やりたいこととかが全然なくて、大学の映像演劇学科に入ったら自分がやりたいことが見つかるかなと思っていたのですが、旅の期間はいろいろリセットするとともに、「今後、自分が何をすればいいか」を考える貴重な時間だったなと思っています。 甲斐:何を撮ったんですか? 甫木元:屋久島の自然や、そこに住んでいる人たちに「ちょっと撮らせてください」といって、地図みたいなものも作ったのかな。「旅」というと本当にいろんな捉え方があると思うんですけど、入学してから聞いたら、知り合いは近所の猫を追いかけて、半径100mぐらいを付き添って、猫にとっての旅を撮るとかしていました。(自分も)そういうおしゃれな感じにしたかったんですけど、肉体労働をして、出会った人にカメラを向けさせてもらったり、屋久島の山頂に登ったり、いろいろ見ました。 甲斐:すごいですね。ある意味、屋久島のリアルが詰まった写真。 甫木元:そうですね。いまちょっと恥ずかしくて、当時どんなものを撮ったか全然思い出せないですけど(笑)。そこで撮ったものを入れて、という感じでした。 甲斐:当時の写真、気になりますね。屋久島にはそれ以来戻ったりしていますか? 甫木元:何回か行って、お世話になったマンゴー農園に「いまこんな活動しています」と届けたり、映画ができたら送ったりしています。 甲斐:いいですね。いまでもコミュニケーションが続いているんですね。 甫木元:BialystocksのCDも送らなくちゃいけないですね(笑)。 甲斐:ぜひ屋久島でも聞いていただきたいですね。