【ボーイズリーグ】苫小牧が旭川道北に逆転サヨナラ勝ちで「来年につながる3位」 「1番・捕手」の加賀谷皇晴が起死回生の同点打
◇第12回秋季北海道選手権最終日(14日、札幌麻生)▽3位決定戦 苫小牧4―3旭川道北▽決勝 旭川大雪6―2札幌北広島 苫小牧が劇的勝利で3位の座をつかみ取った。1点ビハインドで迎えた最終の7回裏。1死一塁の場面で打席へ向かう1番・加賀谷皇晴(こうは、2年)に、高橋輝昭監督は声をかけた。「もしかしたら、今年最後の打席になるかもしれない。後悔しないように、気持ち良く振ってこい」 この回1死から相手投手は左腕に交代。加賀谷は「左投手は得意なので、絶対に打てる自信があった」。2球目の外角直球を迷いなく振り抜くと、打球は左中間へ。起死回生の三塁打で同点の走者を迎えると、2死からの敵失で自らもサヨナラのホームを踏んだ。 前日の準決勝は札幌北広島に5回コールドの惨敗。父母らの前に整列したナインの中で、加賀谷は大粒の悔し涙を流していた。気持ちを切り替えて臨んだ3位決定戦。5回には痛恨の捕逸で失点も許したが、最後はバットで取り返した。「期待に応えて意地を見せてくれた」。この日は高橋監督が感動の涙を浮かべた。 3位で満足はしていられないが、今年最後の大会で大きな財産は得た。優秀選手にも選ばれた加賀谷は「来年に向けて自信になる。目標は日本一。次はうれし涙を流したい」と視線を上に向けた。目指すゴールは、まだまだ先にある。 (石井 睦)
報知新聞社