期待と重圧背負う仙台育英 「2度目の初優勝」目指す センバツ
この冬最強の寒波の中、球児たちに一足早く春の便りが届いた。第95回記念選抜高校野球大会の出場36校が27日決まり、選手たちは憧れの甲子園の舞台を見据えて意欲を新たにした。 【センバツ出場の一報に喜ぶ各校を写真で】 2022年夏の甲子園で東北勢として初の優勝を達成し、2年ぶり15回目のセンバツ出場を決めた仙台育英(宮城)。「夏春連覇」に向けた地域の期待を背負い、春の大舞台に挑む。 昨夏、東北勢の悲願だった優勝旗の「白河の関越え」を成し遂げたチームに地元は熱狂した。一躍注目を集め、山田脩也主将(2年)は「地域の方に『ありがとう』と声を掛けてもらえることがうれしく、頑張ろうと思えた」と振り返る。 しかし、「日本一のチーム」と見られることは重圧にもなった。他校からデータを研究され、応援してくれる地域住民からは「春も優勝を」と期待を掛けられる。新チームになって間もなく臨んだ秋の県大会では、決勝で東北に敗れた。 慢心があったわけではないが、須江航監督(39)の目には「主体性がない」と映った。そこでチームが心掛けたのは「自分で考える力」をつけること。日々のミーティングで選手同士が意識的に課題を指摘し合った。謙虚に練習に取り組む姿勢は結果にも表れるようになり、東北大会決勝では東北に雪辱を果たした。 センバツで目標に掲げるのは「2度目の初優勝」。夏の優勝経験を意識せず、心機一転、新たなチームとして頂点を目指そうという意味が込められている。須江監督は「『夏春連覇』の挑戦権を持っているのは自分たちだけ。追われる立場とは思っていない。全国の強豪校に負けないように追い掛けたい」と強調する。山田主将は「自分たちの野球を丁寧にやり、最終的に優勝を目指したい」と意気込む。【平家勇大】