ロキソニンやカロナールには副作用がある!? 医薬品メーカーの見解は?「公式の情報を確認して」
市販薬・処方薬の区別にも注意
また、市販薬・処方薬の違いによっても、気をつけるべきポイントは異なるといいます。 「処方薬と市販薬では、全く同じ成分・分量であっても、国に認められた効能・効果や適応年齢、服用可能量が一部異なるものがあります。病院では一人一人の年齢・体格・体質・既往歴などを考慮して医師の判断のもと処方されますが、市販薬では、すべての人が自己判断で一律に服用できる必要があるため、服用期間を含めて異なっています」(担当者) ロキソニンを例に挙げると、同社で販売しているロキソニン解熱鎮痛薬シリーズは、処方薬と同じ成分・分量を配合した単味剤の「ロキソニンS」のほか、頭痛への効きめを考えた「ロキソニンSプレミアム」や、生理痛のメカニズムを考えてつくられた「ロキソニンSプレミアムファイン」など、生活者のニーズに合わせて補助成分を追加配合した製品を含む計5種類が販売されています。 一方で、処方薬は単味(有効成分が1種類)であることが多く、医師がその患者の症状に合わせて、複数の単味剤を処方しているといいます。 またカロナールは、病院などでは用量を調整して小児にも処方される場合があるといいます。しかし、同社が発売している市販薬の「カロナールA」は、処方薬と同じ有効成分アセトアミノフェンが使用されているのにもかかわらず、小児は服用できません。これは、厚生労働省の制定するOTC医薬品(市販薬)の解熱鎮痛薬承認基準により、カロナールAのように1錠あたりアセトアミノフェンを300mg含む製剤の服用可能年齢が、15歳以上と定められているためです。 このように、同種・同成分の製剤であったとしても、市販薬・処方薬によってその使用のされ方や性質、服用できる年齢などが異なる場合があります。 使用前には、医師や専門家の指示に従ったり、注意書きを読んだりして、正しく使うよう努めることが肝要です。
ネット・SNSの情報を鵜呑みにせず、詳しくは公式を参考に
さらに、第一三共ヘルスケアの担当者は、近年SNSなどネット上で、薬に関する情報が多く出回っている状況についても、見解を話しました。 「(薬に関する)副作用情報や製品についての正しい知識は、添付文書(説明文書)やブランドサイト等に掲載しておりますので、不安に思われることがある場合はそちらをご確認ください」 ネットの情報を鵜呑みにするのは良くないとのこと。 もちろん、SNS等の情報のなかにも、投稿者が本当に「有益で正しい知識を伝えたい」という思いで発信されたものはあるでしょう。しかし、一方で誤った情報も多いのが実情です。また、薬の効き方や副作用の程度には個人差があり、市販薬・処方薬など、種類によっても使い方が異なる場合があります。 メーカーが公式に発信している情報を確認することが、薬の適正使用やより効果的な使用につながるといえるでしょう。 なお、第一三共ヘルスケアでは、痛みや解熱鎮痛薬の情報を正しく知っていただくためのコンテンツ『ウソ?ホント?痛みと鎮痛薬の都市伝説』を発信しています。 かかりつけの医師や、歯科医師や薬剤師など、専門家に相談するのも有効です。 ◇ ◇ 現代は、ネットでさまざまな情報が手に入る便利な時代になりました。 そのなかには、もちろん有益なものもありますが、一方で誤った情報・不十分な情報が多いのも事実。特に医療や薬といった、自身の体調や健康に関わるような内容のものは、ネットの書き込みをそのまま信用してしまうのは危険です。 そのような書き込みを見るとしても、あくまでも知識を得るためのきっかけづくりや参考程度に止め、詳細な情報はメーカーが公式に発信している情報などから得るようにしましょう。 (まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・竹中 友一(RinToris))
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