【40代・50代が知っておきたい美容の疑問】不自然な“ビニール肌”になってませんか? 毛穴レスやツヤ肌を目指すあまりの落とし穴に要注意!
「また、美容医療でも、ハイドラフェイシャルのような薬理作用と物理的作用の両方が強めのピーリングケアを頻繁に行うと、角層が薄くなりすぎてしまい、ビニール肌になる可能性もあります。 そのほか、顔剃りを習慣にしていることでも角層が削られてしまいます。 このような過剰な角質ケアをすると、一見、肌がツルツルしているように見えますが、実際には角層が薄くなって凸凹がなくなっているだけという場合もあるのです。 見た人に違和感を与えるのはこのような状態になっていることが原因と思われます。 角層はバリア機能を保つうえで重要で、薄くなってしまうと、肌が弱い人の場合は、赤みやひりつきなどのトラブルが起きてしまいます。 ただ、皮膚がそれなりに丈夫な人だと、角層が薄くなっていても炎症が起きないので気づきにくく、気づかぬうちにビニール肌になりやすいのです」
ピーリングは頻繁に行うのはNG。適度なペースで行えば、くすみ改善や保湿効果が
では、ビニール肌を防ぐには、どうしたらよいのでしょうか? 「本来、角層のターンオーバーは10~14日間なので、医療機関でのニキビ治療のケミカルピーリングは2週間に1回程度を6~8回行うのが基本です。その後は月1回程度でメンテナンスしていきます。 肌のターンオーバーは老化によって遅くなっていくので、それをリバイタライズ(活性化)する目的なら初めから月1回くらいを推奨しています。自宅で角質ケアをする場合も1週間に1回程度にとどめましょう。強い製剤を使う場合は、2~3週間あけたほうが無難です。 これくらいのペースで行えば、代謝が促進して、バリア機能も失われず、角層の水分量も上がります。 ピーリングは古い角質を除去してくすみを改善するだけでなく、実は水分保持力が高い角層に生まれ変わらせるという保湿効果もあるので、定期的に行うことはおすすめです。 やりすぎないように行って美肌を保ちましょう」
【教えてくれたのは】 慶田朋子さん 皮膚科医。銀座ケイスキンクリニック院長。医学博士。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本レーザー医学会認定レーザー専門医。2001年、東京女子医科大学皮膚科助手、聖母会聖母病院皮膚科医員、美容クリニック勤務(兼務)。2006年、有楽町西武ケイスキンクリニック開設。2011年、 銀座ケイスキンクリニック開設。最新の照射治療と注入治療を組み合わせ、メスを使わずに肌質を高め、バランスのとれた若々しい顔立ちに変える治療が人気。著書に『女医が教える、やってはいけない美容法33』(小学館)などがある。 写真/Shutterstock 取材・文/和田美穂