【国際弁護士に聞く】水原被告、司法取引で合意…どう変わる? 最長「禁錮33年」の量刑は “歯の治療で900万円”新手口も
■司法取引が行われたら…量刑どうなる?
森アナウンサー 「司法当局と被告の双方にメリットがあるということですが、司法取引が行われた場合、量刑への影響はどれくらい出てきますか?」 吉田弁護士 「ポイント制になっていて、例えば銀行詐欺については凶悪な犯罪ということで7ポイント、被害額が巨額で20ポイントです。今回は金融機関からお金を盗んだということでプラス2ポイントです」 「どんどんプラスしていく中で、今回のように裁判手続きが行われる前に迅速に罪を認めたということで3ポイント減点すると、同意書にも書いてあります。これは量刑に直すと1年強のインパクトがある数字です」 森アナウンサー 「ポイント制になっているんですね。1年強ということは、33年から1年ちょっと短くなると考えていいんですか?」 吉田弁護士 「ポイントを見ていって、だいたいどのくらいになるかということです。銀行詐欺における司法省との同意を確認すると、4年3か月~5年3か月ほどがこのガイドラインで示されている禁錮の期間になります」 「ただこれにプラスして、サプライズですがもう1つの罪が出てきたということで、合算してどのようになるかというのは、裁判所の判断を待たなければならない状態です」 森アナウンサー 「5年前後という数字が出てきましたが、量刑が変わってくるという話がありました。その他に、司法取引ではどんな影響があるのでしょうか?」 吉田弁護士 「司法取引によって迅速に罪を認める、量刑が減る、そしてさらに当局側としてはリソースを本丸に向けられるところが大きいと思います」
■不正送金以外にも明らかになった手口
森アナウンサー 「もう1つの罪というのもありましたが、驚きの手口が明らかになりました。水原被告の罪状認否はロサンゼルスの裁判所で9日に予定されていましたが、14日に延期されました。不正送金以外にも分かったことがあります」 「これまで違法ブックメーカーへの送金が報じられていましたが、司法省によると去年の9月、水原被告は歯の治療のために6万ドルが必要になったということで、大谷選手はこれを支払うことに合意したということで、小切手を切ったんです」 「ただ実際は、水原被告は歯科医院での支払いにこの小切手を使っていません。水原被告の口座に小切手を入金して、実際の支払いは大谷選手名義のカードでした。支払いは大谷選手のカードで、ただ小切手は自分の懐に入れていたことが分かりました」 陣内貴美子アナウンサー 「こういう話を聞いていると、歯の治療費を出すくらい大谷選手は信頼をしていたんだろうな、その分ショックも大きいだろうなと思いますね」 森アナウンサー 「こういったところまで大谷選手の信頼を欺いていた、ということに我々は驚かざるを得ません。歯の治療費は日本円に換算して900万円ほどですが、アメリカでは普通のことなんですか?」 吉田弁護士 「私もこれだけの金額の治療はさすがに受けたことがないので、アメリカが高いというのはありますが、高級外車が買えるような金額ですので、正直驚きです」