『上垣アナの災害遺構探訪記』銀座に遺構 関東大震災を経験した先人たちからのメッセージ【連載#4】
自然災害の歴史から防災を学ぶ、「災害遺構プロジェクト」。 あなたの地域で、過去にどんな災害が起きたのか? 全国の災害遺構をめぐり、先人たちが遺したメッセージや災害の爪痕から、 社会科の教員免許をもつ、 フジテレビの上垣皓太朗アナウンサーが災害の歴史を解説。 また、防災士の視点から、防災に役立つ知識を紹介します。 【写真9枚】『上垣アナの災害遺構探訪記』連載4回目の写真を見る
銀座駅降りてすぐ…銀座で見つけた災害遺構
上垣アナ: みなさん、こんにちは。上垣皓太朗です。 東京にお住まいのみなさん、銀座に行かれることはありますか。 場所:東京都中央区銀座4丁目(数寄屋橋交差点) ブランドショップが建ち並ぶ高級商業地… そんなイメージの強い銀座にも、災害遺構があります。 銀座駅の数寄屋橋交差点の出口を出ました。 特徴のある交番もおなじみかもしれません。 地下鉄の出入り口の脇にある彫像が、今回のテーマです。 災害名:関東大震災(1923年9月1日 M7.9) 上垣アナ: これが、自然災害伝承碑です。 関東大震災では10万人を超える人が亡くなりました。 近代、東京で最も被害を出した自然災害。 二度とこのような被害をくりかえさぬよう、建てられた石碑です。 一見読みにくい文字が台座に刻まれています。 「不意の地震に不断の用意」 こう書かれています。 つまり、地震はいつ来るか分からないので、備えを常にしておきなさいという意味です。 この標語は、朝日新聞の公募で十数万件の候補の中から選ばれた、当時の人たちが未来に伝えたいメッセージなのです。 そして、彫像についても説明が書かれていました。 この彫像を作成したのが、長崎県出身の彫刻家・北村西望。 長崎の原爆の平和祈念像を造った人です。 どことなく、雰囲気が似ていますね。 震災から10年を迎えた年に、震災記念塔にふさわしいということで、この彫刻が選ばれ、設置されたそうです。 おりしも年末。石碑の近くには、ジャンボ宝くじを買いに来た大勢の人の列ができていました。 未来の人たちの記憶にずっと残るよう、人通りの多いこの場所に設置されたのかもしれません。
「不意の地震に不断の用意」
上垣アナ: 今年最後の投稿に、この自然災害伝承碑を選んだのは、 年末年始に家族と集まったとき、 大地震があったらどうするか? 家族でどうやって連絡をとるか? ぜひ話し合いの機会をもってください、とお伝えするためです。 先人たちからのメッセージにあるよう、 「不断の用意」 心の準備だけでも、欠かしたくないものですね。 それではみなさま、よいお年をお迎えください!
めざましmedia編集部