芸能人のインタビューや会見時の「NG質問」指定、よくある話なの?
アイドルや特撮ヒーローは“黒歴史”なのか
また、スキャンダル絡み以外のNG質問も多々あるようで……。 「タレントイメージを意識してか、妻や夫、子供など家族の話はNGというケースも多々あります。最近多いのはアイドル出身の人が、俳優や女優に転身した際、アイドル時代の話をNGにするケース。アイドルのイメージを脱却し、俳優、女優としての地位を築きたいという思いがあるのでしょう。似たようなパターンとしては、『過去に出演したアノ作品には触れるな』なんてピンポイントなNGもあります。いわゆる“黒歴史”なんでしょうね。今でこそ、特撮ヒーローものは多くのスター俳優を輩出している登竜門的な位置づけになっていますが、昔は“NG作品”になるケースも多かったです」とは数多くの俳優、女優をインタビューしているフリーライター。 中には、アイドルとして活躍しているにもかかわらず、映画絡みのインタビューの際には“アイドル”という表記をNGにし、“女優”という表記をメディアに押し付ける現役アイドルもいるという。
タレントよりも所属事務所主導のNG質問も
ともあれ、この手の“NG質問”は本人というよりも、所属事務所がタレントを売り出す際に戦略上NGにしているケースが多いとか。 「タレント本人は結構気さくに家族の話だったり、アイドル時代の話だったり、過去の出演作の話だったりをしてくれることも多いんです。ただ、インタビューした後で、マネジャーから『あの話はナシで』と言い含められたり、原稿チェックの段階でバッサリと削られていたりするんですよね」(前出のライター) ちなみに、所属事務所による“NG質問”としては、 「過去の栄光ではありませんが、以前に話題になった作品やCMなどが、現在の事務所の仕事ではない場合、触れたがらない傾向はあります。また、俳優仲間の話題などで相手の俳優があまり良好な関係ではない芸能事務所に所属しているとNGになることもあります。万が一、揉めたりするのが嫌なんでしょう」(同ライター)。 芸能評論家の三杉武氏は語る。 「これだけインターネット上に過去や現在の情報があふれている昨今。どれだけスキャンダルをスルーしようとしたり、黒歴史を封印しようとしたりしても、かえって不自然になるだけでタレント生命にマイナスに作用しかねない。そもそも、“NG質問”になっている要素こそ、世間の関心を集めるものが多いわけで、闇雲に“臭い物に蓋をする”よりも、タレントにとってNGにしたい逆境をプラスに転じる方法を考えることが、所属事務所やマネジャーにとって何よりも重要だと思うんですけどね」 むやみやたらな“NG質問”が芸能界をつまらなくしているのかもしれない。 (文責/JAPAN芸能カルチャー研究所)