「クリスマスケーキぐちゃぐちゃ」問題の背景にある“配送業者の悲鳴”「1個550円を200円で請け負うことも…」
今年も「崩れたクリスマスケーキ」が宅配され、世間をざわつかせている。今月中旬、大手スーパーの平和堂が販売するクリスマスケーキを受け取った客から、「ケーキが崩れていた」という報告が相次いでいると報じられた。昨年は、高島屋がネット販売したクリスマスケーキでも同様の事態があり、1100件もの返金対応に追われる大騒動となった。2年連続で起きた“クリスマスケーキぐちゃぐちゃ問題”の背景を取材すると、購入者にケーキを届ける配送業界の悲鳴が聞こえてきた。 【写真】“ぐちゃぐちゃ”になった平和堂のクリスマスケーキはこちら * * * <年に一度の大切なクリスマスケーキを楽しみにご購入いただいたお客様に、ご迷惑とご心配をおかけしましたことを心よりお詫び申し上げます> 平和堂は13日、ケーキの交換や返金について案内する書面を公表し、購入者に謝罪した。 悲劇に見舞われたケーキは、歌手の西川貴教さんとコラボした限定商品「WHITE BREATH」。冷凍された状態で380個が配送され、そのうち約100個が破損していたという。箱の中で転がった結果、上下がひっくり返り無残な姿と化したものもあった。 平和堂は24日現在、事故原因については「調査中」として明らかにしていない。昨年、同じようにクリスマスケーキの配送事故を起こした高島屋も、事故直後の会見で「原因の特定は不可能」と断念している。 クリスマスケーキの宅配に関して、なぜ同じような事故が繰り返されてしまうのか。 宅配ケーキを扱う配送業者も加盟している「全国軽貨物協会」の代表理事・西田健太氏は「原因は一つに特定しにくい」と話す。 西田氏によると、工場から消費者の玄関先まで、マイナス20℃前後の状態で届けられる“コールドチェーン”が機能していれば、冷凍ケーキが崩れることは本来ありえない。 しかしクリスマスケーキは、ただでさえ配送物が増加する年の瀬に、日にち指定で出回る季節商品だ。冷凍車や冷蔵車が足りないため保冷ボックスに入れて常温車で運んだり、冷凍品の扱いに慣れていない配送員が届けたりすることも十分考えられるという。