マツキヨはまさかの「メガネ拭き」で勝負 韓国と火花散らす「日本企業」のベトナム戦略
ほかにも「グランビューティーク」という百貨店ブランドのコスメをカジュアルにして展開する売り場や、ローティーン向けアパレル「MY CLOSET」の売り場があり、若い女性たちが楽しそうに買い物していた。日本でも、若者人口が多ければこのような売り場も成功するだろうが、残念ながら日本の人口動態を鑑みると、そんな時代は来そうにない……。
マツキヨが着目した意外な品
日本企業のローカライズ戦略をさらに見てみよう。 マツキヨは化粧品を中心に拡販しているが、ベトナム市場の新規開拓も試みている。例えば、ベトナムに浸透していなかったメガネクリーナー等にも目をつけ、PBのメガネクリーナー売り場を拡販している。今後は、ビール消費世界9位というお国柄に注目し、アルコール関連カテゴリーの売り出しを検討しているそうだ。 ファミマでは、生クリームを使ったスイーツを販売している。しかし、1970年代の日本がそうであったように、ベトナムではまだバタークリームが人気のため、販売は軟調。再度、発売の機会を伺っている。新興国での販売は、そのタイミングが大事。トライ&エラーを繰り返して、ブラッシュアップさせるのが常套だ。
日本では当たり前となったマンダムのGATSBYのボディペーパー、フェイシャルペーパーはじわじわ人気になっている。暑いベトナムの気候に一致した商品であり、ブレイク間近と見られている。ビューティー分野は、これからベトナム国内で大きな伸長が予想されるカテゴリーだ。インドネシアへ進出して55年が経つマンダムは、新興国での成功例を活かすべく、ベトナムを重点市場として進出。インドネシア工場で製造した買いやすい価格のGATSBYなどを前述のように展開している。
化粧品メーカーやマツキヨなど、ビューティー商品を取り扱う小売は、EC(ネット販売)の活用がキーポイントとなっているようだ。ベトナムでのEC化率は昨年30%伸長しており、ビューティーに関しては、特にECでの購買が多くなっている。韓国企業は販促を中心にここへの投資が上手く、日本企業が後塵を拝しているケースも少なくない。リアルな売り場と並行し、ECにどう先行投資していくかが、成功するための鍵になりそうだ。