長野・松本の大自然が舞台! 主演・杉野遥亮『マウンテンドクター』の見どころをカンテレ・近藤Pに聞いた
――主人公が1話で留学をするのもそういった理由があるのですね。キャストの起用理由や、撮影にあたってどのような準備をされていたか教えてください。 近藤P:主演の杉野さんの起用に関しては、彼が出演する『罠の戦争』で、僕はアシスタントプロデューサーをやっていました。真摯な表情とはにかんで笑う顔のギャップがとても魅力的な人だなと思っていて、ご一緒したいなと思っていました。クランクイン前に一緒に山登りに行きましたし、救助の訓練もやっていただきましたね。 他のキャストの皆さんも今回のオファーを受けるまでは山岳医や山岳医療というものを認識していなかったと仰いますが、企画書などを読んでご自身でも結構調べてくださっています。 ――ロケ地も本物の山や山荘を使っていますよね。 近藤P:劇中によく登場する山小屋は白馬村の猿倉荘で撮影しました。元々ある建物の横に診療所のセットを組んでいます。長野の撮影は5月末~6月20日くらいまでで、ちょうど一般のお客さんがいない山開き前の時期でした。基本的には夏の物語ですが、4月には福島で雪山のシーンも撮影しています。 ――山岳での撮影は、体力的にもハードだったのではないでしょうか。 近藤P:キャストやスタッフを毎回がっつり上らせることはできないので、目の前まで車で行ける猿倉荘などできるだけ撮影しやすい場所を中心に選んでいます。雪山のシーンはスキー場なので移動はリフトでした。大変なところだと、三峰山はふもとまでは車で行ってそこから20~25分ぐらいは登って撮っています。杉野さんが登った唐松岳は標高が2700mぐらい。片道5時間ほど登って頂上で撮って、また4時間ぐらいかけて下山しました。
――撮影現場の雰囲気はどのような感じですか。 近藤P:山の天気は変わりやすく天気予報があてにならない環境なので、キャストもスタッフも限られたタイミングで撮りきろうという馬力があります。 今回は栃木県から防災ヘリコプターを借り、航空救助隊の方たちにご指導いただいています。ヘリコプターがホバリングしている下で撮影をしましたが、プロペラの音で何も聞こえない、山の木も強い風圧を受けているような環境で、みんな集中して取り組んでいました。 ――作品の見どころを教えてください。 近藤P:宮本歩という山岳医が、患者さんや山と向き合いながら成長していく物語です。MMT(マウンテン・メディカル・チーム)や江森先生が彼を見て変わっていったり、彼らも成長していったり、最後はどう患者と向き合っていくのかというところを見ていただけたら嬉しいです。また山岳に加えて、観光地でおなじみのなわて通りやホテル、病院など、松本の風景もいろいろな場所で捉えたので、あまり他のドラマでは見たことないような迫力や美しさが感じられる映像になると思います。地方を感じて、見た後に気持ちが晴れやかになっていただければと思います。 松本の壮大な自然の中で成長していく主人公たちの物語に注目したい。