「そうめん」と「冷やし中華」太りやすいのはどっち?管理栄養士が栄養価を比較して回答!
暑い夏の食事にぴったりのそうめんと冷やし中華。今回はどちらの方が太りやすいか解説します。 〈写真で見る〉「そうめん」と「冷やし中華」太りやすいのはどっち? ■冷やし中華の方がエネルギー量は高い まずは使用している麺に焦点をあてて比較してみます。100gあたりのエネルギー量を比べると、そうめんは114kcalであるのに対し中華めんは133kcalとやや高いことが分かります。たんぱく質や脂質の数値を比較しても中華めんの方がやや高いです。また、冷やし中華にはごま油を使用した中華風の醤油だれやごまだれを使用することから脂質量があがりがちです。それに対し、そうめんは和風のそうめんつゆで食べることが多いため脂質は上がりにくいです。しかし、栄養面で比較するときゅうりやトマト、錦糸卵や肉類を具材とする冷やし中華は一食で様々な栄養素を補えるメリットはあるといえます。 ■消化時間はそうめんの方が短い 次は消化にかかる時間を比較してみましょう。そうめん100gあたりにかかる消化時間は約2時間といわれています。麺が細くやわらかいことから比較的消化しやすいです。一方、中華めんの製造過程ではかんすいという麺にコシを出すためにアルカリ性の食品添加物が使用されています。このかんすいはアルカリ性のため消化の過程で胃液の酸と中和する必要があることからやや消化に時間がかかると考えられています。特にコシの強い麺はかんすいの量が多く含まれていると考えられるため消化に時間がかかりやすいです。また人によっては胃の中で中和されなかったアルカリが腸を刺激し、腹痛を引き起こしてしまう方もいます。消化時間で比較すると、そうめんよりも中華めんを使用する冷やし中華の方が消化に時間がかかります。言い方を変えれば、中華めんの方が胃に滞留する時間が長いため腹持ちはいいと考えられます。 ■ダイエットには具沢山そうめんがおすすめ そうめんは冷やし中華に比べてエネルギー量は低いですが、消化しやすく腹持ちが悪いのがデメリットです。そこで、ダイエット中にそうめんを食べる時は不足している野菜やたんぱく質を補いながら具沢山にすることでボリュームアップするのがおすすめです。 ・納豆とオクラでねばねばそうめん 発酵食品である納豆とオクラには整腸作用があり腸の働きを活発にすることで代謝が良くなります。きゅうりや長芋を加えてシャキシャキとした食感をプラスしても良いですね。 ・ビビン麺風そうめん コチュジャンや鶏ガラスープの素、醤油、酢、砂糖、ごま油でビビン麺風の味付けにします。その上にキムチやゆで卵、ささみなどをトッピング。発酵食品のキムチが腸の働きを良くし、卵とささみでたんぱく質も補えます。 ・トマトとツナのさっぱりそうめん ダイス状に切ったトマトとツナを和えてそうめんつゆで味付けします。大葉や胡麻などの薬味をプラスするのもおすすめです。トマトには抗酸化作用のあるβ‐カロテン、ビタミンC、Eを含んでおり、動脈硬化予防やがん予防、老化防止が期待できます。ツナには良質なたんぱく質をはじめ、中性脂肪低下が期待できるDHAやEPAなどの栄養素が含まれています。 ・具沢山にゅうめん 暑い夏には冷たいそうめんが美味しいですが冷たい食事ばかりでは腸の働きが衰えてしまうため、温かい食事も取り入れましょう。卵やかまぼこ、油揚げや鶏肉などのたんぱく質の他、きのこや葉物野菜を入れて具沢山のにゅうめんがおすすめです。 夏バテで食事が進みづらい時は、食べやすい麺類にたんぱく質や野菜をプラスしながら上手に栄養補給をしましょう。 【参考文献】 文部科学省:食品成分データベース(そうめん、中華めん) ライター/まつおかあいこ 管理栄養士として保育園、病院での大量調理や栄養士業務を経験。調理経験の中で身に着けた知識をもとに、身近な食材についての記事の執筆を行っている。 協力/NS Labo
NS Labo(栄養サポート研究所)