歩行者天国『なんば広場』の朝~夜明け 喫茶店をめぐるはずが昼からほろ酔いの人、「仕事が何やっても続かず」生きづらさに苦しんだストリート・マジシャン...【定点観測】
「子どもやと思っています」小鳥をのせて歩く人
午後3時。買い物に訪れた家族連れがひと休みする姿も。おや、小鳥を手にのせて歩く人がいました。 「(Qインコって連れて歩ける?)懐いていますからね。逃げないです。和歌山へ行ったり京都へ行ったり、どこへ行くのにも連れていくので」 木戸正広さん。一緒にいるのはコザクラインコのシナモンちゃん。なんば広場でSNSにあげる写真を撮りにきたそうです。溺愛するのには特別な理由があるようで。 「(Qシナモンちゃんは自分にとってどんな存在?)娘ですね」 今年で結婚17年目。なかなか子どもに恵まれなかったという木戸夫婦はペットショップでシナモンちゃんと出会い、運命を感じたといいます。 「私、嫁さんと2人だけなのでこの子しかおらんので、子どもやと思っています。もうどちらかが目を離さないようにつきっきりなので」 実の娘のように可愛がるインコはいつの間にか広場のアイドルです。
連休は阪神タイガース漬け!勝利の余韻にひたるファン
午後7時。イベントも終わり、街は夕暮れ。夜風が気持ちいい繁華街に繰り出す若者も増えます。ミナミ界隈ではおなじみ、縦じまのユニフォームを着た男性2人と出会いました。 「(Qきょうは甲子園?)ヘルメットかぶりましょうか?阪神勝ちました。きょうはね、もうヒリヒリした試合でしたね。祝杯ですよ」 「朝から祝杯でしたけどね」 「前哨戦から始まっていましたよ」 「前哨戦やってから甲子園行って」 この日、ヤクルトに競り勝ち、6連勝を飾った阪神タイガース!甲子園から、ミナミで祝杯をあげにきたそうです。そんな彼のゴールデンウィークは…。 「阪神、阪神、休み、阪神、阪神、阪神、BBQ、阪神、そんな感じですかね」 広場には、勝利の余韻にひたるファンの姿がありました。
タクシー運転手からは困惑の声も「なんば広場はもともと僕らの仕事場」
午後9時。繁華街の玄関口は過去と比べるとだいぶ雰囲気が変わったような気がします。広場に車を停められなくなったタクシーの運転手は…。 「なんば広場はいらないです。あれはもともと僕らの仕事場なので。あんなに広い公園みたいなものはまったく意味ないです」 「固まった所に集約して客待ちができないから、タクシーが何かウロウロするというんですかね。そういう面はあると思います」 運転手たちのもどかしい思いの一方で、なんば広場は少しずつ夜の顔を見せ始めます。