札幌記念は「2強」で決着するのか!? 元ジョッキーが推す「馬場や展開次第で台頭可能な伏兵」とは
――次に注目しているのは、どの馬でしょうか。 大西 芝に戻してから、復活の兆しを見せているジオグリフ(牡5歳)です。北海道でのレースは2歳時のGIII札幌2歳S(1着。札幌・芝1800m)以来となりますが、この舞台との相性はよさそうです。 クラシックの勝ち馬ながら、ダート戦を含めてさまざまな条件のレースを使われてきましたが、僕はこの馬には小回りの1周コースが最適だと見ています。母アロマティコも後方一気の極端な戦法をとって不振が続いたあと、北海道シリーズで復活を遂げたことがありました。今回、そんな母と同様のイメージが浮かびます。 ――最後の1頭も教えてください。 大西 ノースブリッジ(牡6歳)です。3頭のうち、配当面での面白味が最もあります。 この馬には、展開面からチャンスがあると見ています。岩田康誠騎手と奥村武厩舎のコンビと言えば、GIII函館記念(7月14日/函館・芝2000m)を2番手から押しきったホウオウビスケッツの印象が強く残っていますが、ここでもあの競馬の再現は可能だと踏んでいます。実際、函館記念と同じく今回もアウスヴァール(せん6歳)が逃げると思うのですが、それを行かせて2番手で流れに乗れるはずです。 2歳時からノースブリッジの手綱をとっている岩田騎手。人馬の信頼関係は、非常に厚いものがあります。現に、岩田騎手は栗東所属ながら、何度も美浦に足を運んで調教に跨る熱の入れようです。今回も1週前に美浦での調教に跨って、仕上がりを確認していました。 人気のプログノーシスとは、前走の海外GIクイーンエリザベス2世C(3着。4月28日/シャティン・芝2000m)で対戦。2着のプログノーシスとの着差は2馬身ほどでした。展開と乗り方次第では、さらに着差を縮めることは可能でしょう。 ということで、馬券的な妙味も考えて、札幌記念の「ヒモ穴馬」にはノースブリッジを指名したいと思います。
武藤大作●取材・構成 text by Mutoh Daisaku