GitHub Copilotで「Claude」「Gemini」も利用可能に 自然言語のみでアプリ開発できる新ツールも
米GitHubは、年次開発者カンファレンス「GitHub Universe 2024」において、開発プラットフォームのAIネイティブ化を進める、GitHub Copilotを中心とした大幅アップデートを発表した。 【もっと写真を見る】
米GitHubは、2024年10月29日(米国時間)、年次開発者カンファレンス「GitHub Universe 2024」にて、開発プラットフォームのAIネイティブ化を進めるべく、「GitHub Copilot」を中心とした大幅アップデートを発表した。 まず、OpenAIベースの開発者向けの生成AIアシスタント、GitHub Copilotのマルチモデル化が発表された。Visual Studio Code(VS Code)やGitHub.comの「GitHub Copilot Chat」で、これまでのOpenAIに加えて、AnthropicやGoogleの主要モデルを選択可能になる。現時点ではAnthropicの「Claude 3.5 Sonnet」に対応。今後数週間以内に、Googleの「Gemini 1.5 Pro」にも対応する。その後もAIモデルの選択肢を拡大予定だ。 また、自然言語でウェブアプリケーションを開発できるAIネイティブツール「GitHub Spark」も発表された。あらゆるスキルレベルの開発者が、「spark(スパーク)」と呼ばれるマイクロアプリを開発できるツールで、sparkはクラウドリソースの管理を必要とせず、AI機能や外部データソースとの統合のみで機能する。 OpenAIやAnthropicのAIモデルを介して、自然言語のプロンプトだけでアプリを開発でき、リアルタイムでプレビューを確認したり、過去のバージョンを比較したりしながら、ノーコードでアプリを修正していくことができる。生成されたコードに手を入れることも可能だ。 GitHub Copilotでは、他にも以下のような機能強化が図られた。 ・GitHub Copilotの「マルチファイル編集機能」:VS CodeのGitHub Copilot Chatで、複数ファイルを自然言語で同時に編集できるモードが追加される。11月1日(米国時間)より利用可能。 ・「GitHub Copilot Extensions」の一般提供開始:サードパーティ製の主要な開発ツールやサービスをGitHub Copilotに統合できる「GitHub Copilot Extensions」が、2025年初頭に一般提供(GA)される。 ・「Xcode」向けGitHub Copilot:GitHub CopilotのXcode向けのコード補完機能が、パブリックプレビューとして公開された。 ・GitHub Copilotの新しい「コードレビュー機能」:30秒でコードに対するフィードバックを返してくれる新しいコードレビュー機能が提供され、Insiders版のVS CodeおよびGitHub.comでPull Request作成時に利用できる。 ・GitHub Copilotの「カスタマイズ機能」:VS CodeとVisual Studioにおいて、GitHub Copilot Chatの応答を、好みのツール、組織の知見やコーディング規約に基づいてカスタマイズできるようになった。 また、生成AIが組み込まれた開発環境「GitHub Copilot Workspace」でも、ビルド・修復エージェントの追加、実装に必要な変更の検出、コマンド実行によるエラー修正など、100以上の改良が加えられた。AIモデルを無償テストできる「GitHub Models」では、複数のAIモデルを並べて比較する機能、マルチモーダルモデルのサポート、プロンプトやパラメーターを保存して共有する機能などが追加されている。 コードの脆弱性を見つけてくれる「Copilot Autofix」では、大規模な脆弱性対応が可能な「セキュリティキャンペーン」機能のパブリックプレビューが提供される。同機能では、一度に最大1000件のアラートをトリアージでき、タイプや深刻度、リポジトリなどでアラートをフィルタリングすることが可能だ。 文● 福澤陽介/TECH.ASCII.jp