「有吉弘行の脱法TV」企画・演出の原田和実 フジテレビ入社5年目が目指す「見たことのない番組作り」
原田:そう、思いついたときがピークって、それじゃあせっかく作る意味がなくなってしまう。
――原田さんの番組は、「ここにタイトルを入力」のバイキング小峠さんが半分になっているビジュアルや、「有吉弘行の脱法TV」の「海賊版ガチャピン」など、ネット映えする一枚絵やパワーワードがいつも用意されています。
原田:それは、企画を考えるときはたいてい絵から思い浮かべるっていうことが一つと、日々摂取しているものがどうしてもネット文脈のものが多いので、言葉に落とし込む段階で自然とそうなっているんだと思います。感覚としても、今のテレビバラエティの潮流よりも、ネットの文脈をなぞるほうが意識としては強いです。
――最後に。「有吉弘行の脱法TV」の第2弾では、冒頭にMCの有吉さんが、番組の方向性を決定づける大事な話をしていますよね。
原田:実際に現場でご一緒すると、有吉さんのすさまじい能力に驚かされます。瞬時に企画の趣旨を理解して、それを適切な言葉で伝えてくれる。第1弾で「大人のビデオ」をテーマにした企画があるのですが、料理してるお母さんをずっと映して、その後ろで男女がそういうことをするのが小さく見切れてるという。映像的にはお母さんがメインだから、っていう趣旨なんですけど、有吉さんがVTRを見た瞬間「お母さん、がんばれ」って言ったんです。この一言だけで、視聴者に企画の見方を完璧に説明してくれた。あの洞察力と言語化力には感動しました。この番組の企画性を考えても、もし有吉さんがMCじゃなかったら、まったく異なった見方をされたり、そもそも番組として成立していなかった可能性は大いにあると思うので、感謝しかありません。
PHOTOS:TAMEKI OSHIRO
「有吉弘行の脱法TV」#2 テレビを知り尽くした有吉弘行が「テレビで出来ないとされていること」を知恵を振り絞って抜け穴を考え、何とか実現しようとするギリギリ合法なバラエティー番組の第2弾。昨年放送された第1弾では、「地上波で映せる乳首の限界」、「訴えられないガチャピンの海賊版の境界線」などを検証。第2弾もさまざまなテーマで“脱法”を企てている。
6月21日23時59分までTVerで配信中 https://tver.jp/episodes/epv9zru7em