どの銘柄にするか悩む必要はない…ウォーレン・バフェット(94)が投資を始めた11歳の自分に伝えたいこと
株式投資で資産を増やすには、どんなことに気をつければいいのか。米ゴンザガ大学教授で、ウォーレン・バフェット研究の第一人者であるトッド・A・フィンクル氏の『史上最強の投資家 ウォーレン・バフェット 資産1260億ドルへの軌跡』(翻訳:鈴木立哉氏/実務教育出版)より、その一部を紹介しよう――。 【画像】チャーリー・マンガー ■ヘッジファンドVS.インデックス・ファンド もしあなたが個別銘柄を調べる時間も専門性も持っていないのであれば、資金の90%をS&P500種指数を追跡する低コストのインデックス・ファンドに、10%を短期債券ファンドに投資すべきだ。投資業界で働いていなければ、株価指数を上回るパフォーマンスを上げることはできないはずだからだ。 2017年株主総会で、バフェットは、ニューヨークのヘッジファンド、プロテジェ・パートナーズとの間で2006年に行った100万ドルの賭けについて語った。プロテジェ・パートナーズの面々はその後10年間で5本のヘッジファンド(実際にはファンド・オブ・ヘッジファンズ)の累積リターンがS&P500種指数を上回るほうに賭けた。バフェットはS&P500に賭けた。 ■勝ったのはインデックス・ファンド さて、10年たって結果はどうだったか。 S&P500種指数は125.8%上昇したのに対し、ヘッジファンドの上昇率は36%だった。株主総会の参加者はこの結果を聞いて大爆笑となり、バフェットは株主宛書簡で勝利を宣言した。 「このインデックス・ファンドの今日までの複利リターンは年率7.1%でした。これは株式市場の長期リターンとしては典型的な水準と言ってよいでしょう。……これに対し、5本のヘッジファンドの2016年までの平均はわずか2.2%。年複利リターンです。つまり、ヘッジファンドに100万ドルを投資していれば10年で22万ドルの利益になっていたのに対し、インデックス・ファンドでは85万4000ドルの利益が得られていたはずなのです」