【母の日】「赤いカーネーションが見当たらない」グラデーション・レインボーも 地域で咲かせる花 佐賀
必要な栄養素が含まれているか、毎月ハウスの土を専門機関で分析しているほか、年に一度は30棟のハウスすべての土に蒸気を当てて消毒します。 ■松尾さん 「そもそも土が良くないと立派なカーネーションが育たないので、土の状況を測って、結果に応じて土にご飯をあげるという感じです。」 さらに、15年ほど前から取り組んでいるのは、自然界にない色で花を染め上げる、いわゆる「染め花」作りです。 茎を染色液に浸けて花が水を吸い上げる力を利用して染め上げますが、色の濃さをそろえるには技術や経験が必要で、その日の気温や湿度に合わせて染める時間などを調整します。
平田花園の自慢は、複数の色を使って染め上げる「レインボー」です。 1色だけの染め花と比べ、3・4倍の手間と時間が必要ですが、ここでは年間2万本の注文を受けています。 その生産に一役買っているのが、唐津市内の就労支援施設「愛の木」に通う人たちです。 知的・身体障害を持つ人たちが集中力を生かして丁寧に作業するため、より高品質な花が出荷できるようになりました。 ■染色作業を担当した人 「大変なところは(茎が)折れないように切ったり、色を付けたものを水につけたりすること。(きれいに染まると)うれしい気持ちになります。」 施設の職員によると、楽しみながら安定した収入を得られるとして、利用者からも人気の高い仕事になっているといいます。 ■松尾さん 「今で言う“農福(農業と福祉)連携”をいろいろ活用して、 私たち農家と就労者支援施設が協力して、もっと農業の魅力を伝えていきたい。一番はお母さんに喜んでもらいたい。母の日の需要をもっと広めていきたい。」 カーネーションの花言葉は「深い愛」です。地域で咲かせた花が、ことしも母の日に多くの愛と感謝を伝えてくれそうです。