<春に芽吹く―市和歌山>指導者紹介 半田真一監督/舩津直也コーチ/岩本悠部長/益田拓磨コーチ /和歌山
◇自立促し、心身の成長を 半田真一監督(41) 指導者間の連携を密にし、子どもたちへの「最善の指導」を心がける。選手の自立を促し、心身の成長を図ることを旨とする。 新チーム発足後、指導者もランニングメニューに取り組んだ。上級生が抜けたチームに、積極的な姿勢を求めた。「新人戦敗退後、選手に自覚と責任が芽生え、チーム力が上がってきた」。手応えをつかみ、自身が率いてから6回目の甲子園へチームを導いた。 高校時代は市和歌山商(現・市和歌山)で副主将を務めた。愛知学院大を卒業後、コーチとして母校に戻り、2012年秋季大会から監督を務める。「今後の人生へ重要な高校生活となるように」。選手と向き合い続ける。 ◇捕手の経験、生かし指導 舩津直也コーチ(29) バッテリーコーチとして、選手たちとコミュニケーションを重ねる。ブルペンで投手の球を受けることもある。「コントロールの重要性、マウンドでの姿勢、打者を抑えるための工夫を選手と共に考える」という。 那賀で捕手として活躍し、3年時には主将を担った。その経験を指導に生かしている。大阪体育大卒業後、母校での指導を経て、2017年4月に市和歌山に赴任。レギュラーの座を失った選手に声をかけるなど、バッテリー以外の選手たちへのケアも忘れない。 今回、選手の成長する姿に感動した。「新人戦敗退後、チーム力向上のため、日々の取り組む姿勢が素晴らしかった」 ◇選手から気づき、共に汗 岩本悠部長(37) 「一生、青春をさせてもらっている」。打撃投手を務めることもあり、汗を流して指導に当たる。気持ちも体も、現役選手に負けない気概だ。「子どもたちから新たな気づきが得られ、教えられることも多い」と、共に成長することを大切にしている。 桐蔭で二塁を守り、3年時には主将を務めた。2、3年の春季大会で優勝した。日本体育大を卒業後、母校でコーチを務め、センバツにも1度導いた。 市和歌山には2015年4月に赴任し、16年3月から部長を務める。センバツ出場が決まり、書類の提出などで多忙だが、「2年連続は感無量。全員の力の結集の成果」とうれしい悲鳴だ。 ◇意思疎通の大切さ説く 益田拓磨コーチ(24) 指導者の中では一番の若手だ。しかし、細かいところにも目を光らせていて、チームにとって大きな存在となっている。 市和歌山で半田真一監督の指導を受け、3年時には主将を務めた。吉備国際大を卒業し、2021年から市和歌山でコーチを務める。 集中していない選手がいれば、練習を止めてでも指導する。打撃練習では開始前に選手を集め、何を意識して取り組むかを確認し合う。技術のみならず、準備や意思疎通の大切を説いている。その指導は、野球以外の部分にも及ぶ。「高校生活が終わっても、次のステージで生かせるように」との思いで選手に向き合っている。