【ノア】WWE・US王者中邑真輔の棚橋弘至への思いは「最後の相手…」/単独インタビュー後編
中邑真輔(44)が米プロレス団体「WWE」のUS王者としてベルトを巻いて凱旋(がいせん)する。25年1月1日に日本武道館で開催されるプロレスリング・ノア「ABEMA presents NOAH“THE NEW YEAR”2025」(ABEMA PPVで全試合生中継)に参戦。目玉カードの1つで、Wメインイベント第1試合が「中邑真輔VS佐々木憂流迦」だ。試合への意気込みや、新日本プロレス所属時代からの盟友でもある棚橋弘至社長(48)への思いも、日刊スポーツに語った。(聞き手=千葉修宏) ◇ ◇ ◇ -WWEの選手が日本に来て試合をすること自体まれなことですが、その中でもチャンピオンベルトを持って戦いに来るのはすごい特別なことだと思います 「2年前のグレート・ムタ戦でも、他団体で試合をするってこともその頃はありえなかったわけですから。今回も(チャンピオンとして)その先陣を切れるというのは、それなりの信頼を得てると考えてもいいのかなと思いますね。(ベルトを巻いての試合は)光栄なことに違いないですけど、それ以下でも以上でもないのかな。まあ1つの証明にはなるわけだから。1つ勲章を持って帰ってきたことになりますから。どうだ! っていうのもあってもいいのかなと思います」 -今回は試合順がダブルメインイベントですけど、順番的には最後の1試合前という形になります 「試合順がどうかとかっていうのは、ないなぁ。まあでもいいんじゃないですか。団体としての優先順位っていうのもありますし。自分はそこでメインだから、メインじゃないからとか、そういうものじゃないですよね。やっぱり選手としては、その試合をどうするかっていうところに集中すると思うので。憂流迦に聞いてください。『メインが良かったのか?』って」 -そんな中で中邑選手はご自身の試合が一番心に残る試合にしたいとか、そういう思いとかはあるんでしょうか 「そういうのもないですよね。そういうことを考えて試合をしたことすらないかもしれないですね。だから自分の思い描くというか、自分の好みに沿う、感情に沿う試合がしたいなとは思いますけれども。実際にふたを開けてみないとわからないこともあるので」 -2025年は中邑選手にとってどういう方向に進んでいきたいですか 「まだまだ自分も変化をして、ワクワクする感情があるんだなと思うので。本当にまだまだ行けるところまで行きたいなと。だから自分の年齢だとかキャリアだとかを意識すると、それが足かせになる部分が多分あると思うんで。そういうものは意識せず、本当にやりたいものだったり、目の前に来たものに飛びついていくような感覚でいたいなと思いますね」 -年齢のお話が出ましたけど、新日本プロレス時代に戦いを繰り広げてきた棚橋弘至選手が2026年1月で引退すると表明されました。それに関して思うことはありますか 「そうですね、コンディションも悪かったでしょうし…、『一緒にしないで』とは思いますけどね(笑い)。自分は幸いなことに、1回も手術したことないんですよ、このキャリアで。棚橋さんがダメで僕が良いっていうわけじゃないんですけれど。あの人は全身全霊、プロレスに命をささげてきたわけだから。何かしら関わることができればいいなとは思います」 -ファンの間では、棚橋選手の引退ロードの中で中邑選手と戦ってほしいという意見も多いです 「棚橋さん、社長でしょ? 社長として動けばいいじゃんって思うんですけどね。一プレーヤーじゃないんだから。でも最後の相手は絶対嫌だな。なんか道連れにされそうじゃないですか(笑い)。まあ、ただね『そうなんですね』っていう感じですよ。お疲れさんとも言えねえな、まだ。だってまだ終わってないじゃないですか。来年じゃないでしょ? 再来年でしょ? まだ何があるかわかんないでしょう。前言撤回とか。プロレスの世界ですから」 -中邑選手はまだ全然やれるということですが、引退について考えることはありますか 「俺は22歳でプロレスラーになってから、引退したら何しようかなと考えていましたよ。でも、この20年以上、それが全く見つからないです。いろんなことに興味が湧きますけど、プロレスっていう魅力から抜け出せないというか」 -その一番ひかれる部分とはどのようなところでしょうか 「やはり、現実と非現実の混ざり合った中で、なりたい自分にもなれれば、自分の知らない自分にも出会えるという。ものすごくやってみないとわからない部分という魅力はあると思いますね」 -最後に1・1の試合を見られるファンの方へメッセージを 「憂流迦のことは置いておいて、元日日本武道館、中邑真輔がWWEチャンピオンとしてノアのリングで戦う姿をご覧ください!」 (終わり) ◆中邑真輔(なかむら・しんすけ)1980年(昭55)2月24日生まれ、京都・京丹後市出身。青学大から02年に新日本プロレス入り。同年8月に安田忠夫戦でデビュー。03年12月に天山広吉を下し、史上最年少23歳9カ月でIWGPヘビー級王座を獲得して計3度戴冠。IWGPインターコンチネンタル王座も5度戴冠。11年にG1制覇。16年2月にWWEに移籍し、17年4月にスマックダウン昇格。18年1月、ロイヤルランブル制覇。WWEではインターコンチネンタル王座を2度、US王座を3度戴冠(現王者)。得意技はキンシャサ。188センチ、103キロ。