「もう独りで歩けない」 YOSHIKIさんが語る〝孤独〟とのつきあい方 サプライズ演奏した意味は
「フェラーリ買っても、幸せは一瞬」
一方で、バンドが売れていくにつれ、「フェラーリが欲しいとか、物欲に溺れていた時期もあった」と本音をもらした場面もありました。 「フェラーリを買っても、その幸せは一瞬なんです。誰かを助けた方が、幸せな気持ちになると気づきました」 マーシー長官からそのターニングポイントについてたずねられると、X JAPANのギタリスト、HIDEさんが生前に交流していた女性に大きな影響を受けたと語り始めました。 女性は、脳の神経活動が妨げられ、思うように体が動かせなくなる難病「GM1ガングリオシドーシス」と闘っていた和歌山市の貴志真由子さん。HIDEさんが1998年に亡くなった後、代わりに支援をしていく中で、考え方が変わり始めたと言います。 「始まりは支援という形でしたが、一生懸命に生きる彼女の気持ちに触れる中で、僕自身が助けられた部分も多かったのです」 そして、真由子さんが亡くなった翌年の2010年、米国非営利公益法人「YOSHIKI FOUNDATION AMERICA」を立ち上げ、自然災害や戦争に巻き込まれた人々への寄付に本腰を入れるようになりました。
「誰か1人に打ち明けるだけでもいい」
話題は、誹謗中傷やセンシティブなコンテンツがあふれるSNS空間にも及びました。 マーシー長官は、プラットフォーマー側が有害な投稿を管理する必要があると強調した上で、「ネガティブな情報によって、未来に希望はないと感じてしまう人が多くいます。1日15分でもいいから、大切な人と話す機会をつくってほしいです」と呼びかけました。 YOSHIKIさんは、自身もSNS上で誹謗中傷を受けることがある一方、励まされることも多いと振り返りました。 2022年に母親が亡くなった時、Instagram上で心情を打ち明けると、ファンからは「今は大変だと思いますが応援しています」などと、共感や励ましのコメントが大量に届いたそうです。 YOSHIKIさんは、自分の感情を共有する大切さを改めて強調しつつ、「つらい時は、必ずしもSNSで共有しなくてもよくて、誰か1人に打ち明けるだけでもいい。自分は1人ではないと感じられるのが大切です」と語りました。