奄美駐屯地を緊急避難場所に 大規模災害時の協定締結 奄美市
鹿児島県奄美市と陸上自衛隊奄美駐屯地(同市名瀬大熊)は4日、「大規模災害時における緊急避難場所に関する協定」を締結した。大地震や津波発生時、また津波警報が発表された場合に、陸自奄美駐屯地のグラウンドや体育館など一部施設で住民や旅行者の避難を受け入れ、人的被害の軽減や生活の安定確保を図る。 今年3月に喜界町と防衛省情報本部喜界島通信所、海上自衛隊佐世保地方総監部が締結した同様の協定を参考に、奄美市側から陸自へ要望があり、締結に至った。群島内の自治体と防衛省施設が災害時の緊急避難場所に関する協定を締結するのは、喜界町に続き2例目。奄美駐屯地によると、自衛隊施設と自治体との避難場所に関する協定は全国に同様の事例がある。2022年1月に奄美大島に津波警報が発表された際は、地域住民ら約120人、車両約50台を同駐屯地で受け入れていた。 協定締結式は同日、市役所であり、安田壮平市長と陸自奄美警備隊長兼奄美駐屯地司令の長谷川健1佐が協定書に署名した。 安田市長は「協定締結により市民の避難、安全確保につながると思っている。協定を生かし、自衛隊と連携しさまざまな災害対策に取り組んでいきたい」と話した。長谷川司令は「協定の実効性をさらに向上させるために、地域の皆さまに緊急避難場所である駐屯地へ実際に足を運んでいただいたり、津波避難に対する訓練も必要と考えている」と述べ、災害対策に積極的に協力していく姿勢を示した。