千葉と青森でローカル線の廃止報道、でも意見は「仕方ない」? 今週一週間の鉄道ニュース
今週(11月25日~12月1日)一週間の鉄道ニュースから、鉄道コム注目の話題をご紹介。まずは、鉄道の廃線の話題をご紹介します。 【イメージ画像】山陽新幹線に登場! 「ワンピース新幹線」のイメージ JR東日本千葉支社は27日、久留里線の久留里~上総亀山間を廃止し、新たな交通体系へのモードチェンジを図る方針を発表しました。加えて、青森県の大鰐~中央弘前間を走る弘南鉄道大鰐線も、2027年度末に全線の運行休止、つまり事実上の廃止となることが、同日に報道されました。 鉄道路線の廃止となると、鉄道ファンからは反対意見が多く出るのが常ですが、今回はどうも様子が違うよう。少なくとも筆者が確認した範囲では、「仕方がない」「これまで頑張った方だ」などと理解を示す意見が多く見られました。筆者自身も過去に両線とも乗車した経験がありますが、いずれもマイカーやバスなどが発達しており、ダイヤ設定は抜きにしても、鉄道の方が利便性が高いとは言えない印象です。人口が集中する側に出るとしても、久留里線は木更津駅、大鰐線は中央弘前駅で、さらに利便性の高い方(久留里線は東京都心や千葉市内、大鰐線はJRの弘前駅周辺)に行くためには、さらなる乗り換えが必要となっています。 JR東日本では、これまでにも信越本線横川~軽井沢間や、岩泉線、気仙沼線・大船渡線(ただしBRTに転換)などを廃止してきました。このうち、信越本線は新幹線開業によるもので、かつ同区間が特殊な環境だったことが理由。その他の各線は、災害を契機としたものでした。久留里線の一部区間が廃止されれば、同社では初めて、利用客減少を理由としたものになります。少子高齢化や人口減少、さらに近年は原材料費・燃料費高騰といった逆風が吹いているローカル線は、今後も厳しい状況が続きそうです。 もう一つご紹介するのは、2025年に開催を予定する万博関連の話題です。 JR西日本は、27日に開催した社長定例記者会見において、「大阪・関西万博」関連の対応を発表しました。万博開催期間中、桜島駅には臨時改札や通路設置を設置するほか、万博アクセスルートとなるJRゆめ咲線・大阪環状線では、特別仕様の車両「JR WEST Parade Train」を運転。また、万博アクセスに直接関連する部分ではありませんが、これを契機として西日本エリア各地の誘客を目指す取り組みの一つとして、「ONE PIECE」(ワンピース)とコラボした「ワンピース新幹線」を運転するとしています。 大阪・関西万博に際しては、JR西日本では新大阪~桜島間を直通する臨時列車を設定する予定。2025年の開催期間中は、会場そばの夢洲駅まで乗り入れる大阪メトロとあわせ、大阪の鉄道が活気づくことになりそうです。
西中悠基