会社指示でパソコン購入した社員「自分に家電量販店のポイントがついた」 業務上横領罪になるのか
●業務上横領罪とまでいかなくても…会社から処分される可能性はある
――では、他人のポイントといえる場合というのは? たとえば、会社の就業規則などで、「会社の備品購入の際に付与されたポイントは会社に帰属する」といった規定がある場合は、たとえ自分のポイントカードについたポイントであっても、会社のものということになります。 この場合に、そのポイントを勝手に使ってしまうと、会社のものと決まっているポイントを勝手に使用したということになりますので、業務上横領罪に問われる可能性があります。 また、自分の作ったポイントカードではなく、会社が作ったポイントカードであれば、付与されたポイントは、そもそも会社のものということになるので、ポイントを勝手に使ってしまうと、業務上横領罪に問われえます。 ――その他に注意すべきことはありますか ここまでは法的な観点から「会社の備品購入の際に付与されたポイントを使用する」という行為について検討しました。しかし、業務上横領罪に該当しない場合であっても、それが必ずしも「正当な行為」ということではありません。 社内では、そのような行為を問題と捉えることもあるでしょうし、金額や頻度によっては、意図的な行為として、会社から何らかの処分が下される可能性は十分にあります。 【プロフィール】 大泉 まどか(おおいずみ・まどか)弁護士 慶應義塾大学法学部法律学科卒業。北海道大学法学研究科法律実務専攻修了。検事任官、検察庁にて5年間執務ののち退官。2023年の弁護士登録以降は法律事務所にて執務。2024年1月東京スタートアップ法律事務所に入所。検事時代から培った傾聴力、説得力、情報処理能力を活かし、現在は刑事事件にとどまらず、一般民事事件、企業法務事件など幅広く活躍中。 事務所名:東京スタートアップ法律事務所 事務所URL:https://tokyo-startup-law.or.jp/