Final Aimとヤマ発が共創 低速EVモビリティの拡張モデルを生成AIでデザイン
Final Aimは2025年1月8日、生成AI(人工知能)を活用し、ヤマハ発動機の2人乗り低速電動モビリティ「DIAPASON C580」をベースとする拡張モデルをデザインしたことを発表した。 「Final Design」のダッシュボード画面 同成果はヤマハ発動機との共創プロジェクトによるもので、「TOKYO AUTO SALON 2025(東京オートサロン2025)」(会期:2025年1月10~12日/会場:幕張メッセ)のヤマハ発動機ブースにおいて、生成AIを活用した拡張モデルのデザインとそのプロモーション動画(こちらもAIを活用して生成)を初披露する。 Final Aimは生成AIを活用したデザイン開発や、知的財産権の管理に対応するデザイン/知財管理プラットフォーム「Final Design」を提供する2019年12月創業のスタートアップで、米国デラウェア州に本社を構える。同社は2024年1月に開催された「東京オートサロン2024」において、ヤマハ発動機との共創による電動マイクロトラクターのプロトタイプモデル「Concept 451」を発表し、生成AIやスマートコントラクト(ブロックチェーン技術を活用した契約の一定条件での自動化)技術を活用した新たなデザイン検討プロセスについてアピールしていた。 今回発表した生成AIを活用した共創活動では、自動車以外の領域におけるカスタマイズ文化の新たな可能性を提示すべく、ヤマハ発動機が開発中の小型低速EV(電気自動車)汎用プラットフォームコンセプトであるDIAPASON C580をベースに、拡張モデルを新たにデザインした。 実際のデザインプロセスでは、膨大なアイデア生成から最適解の導出に至るまで、最新のAI技術を活用。これにより、従来よりも短い期間で大量のアイデアの創出が可能となった他、多様な選択肢を試行錯誤することで、デザインの創造性を広げることができたという。 同時に、AIによる動画生成技術も導入して拡張モデルのデザインアイデアに背景や動きを付加したプロモーション動画を制作し、デザインアイデアの共有、可能性および妥当性の迅速な検討に役立てた。 さらに、今回の取り組みにおける中間生成物や最終データの管理については、デザイン/知財管理プラットフォームのFinal Designを活用し、知的財産権の確保と安心/安全な生成AIデザインプロセスを実現した。Final Designは従来対応していた画像や3Dデータの知財管理に加えて、新たに動画データにも対応し、生成AIによるデザイン開発全般での知的財産権の保護をさらに強化している。同社は、Final Designを通じて、デザインデータや知的財産の真正性と信頼性を確保しながら、今後も進化するデザイン開発をサポートしていくという。
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