今期初の黒字化へ KINTO、小寺社長が方針
トヨタ自動車系で、車のサブスクリプション(定額利用)サービスを手掛けるKINTO(キント、本社名古屋市)の小寺信也社長は30日、オンライン説明会で「2025年3月期に初の黒字化を目指す」と話した。19年1月に設立し、業界に先駆けて車のサブスクという新たなサービスに取り組んできたことから赤字が続いていたが、足元でサービスの利用が広がっている。 利用拡大をけん引しているのは、ソフトウエア更新などを行えるサービス「キントアンリミテッド」だ。先進安全機能を拡充したり、スマートフォンで鍵を開閉する機能を追加できる。23年6月にセダン「プリウス」の一部グレードで開始し、次いで小型車「ヤリス」や小型スポーツタイプ多目的車(SUV)「ヤリスクロス」にも対象を広げた。 30日にはキントアンリミテッドの新規顧客を対象に、機能更新の費用を最大8万円分サポートするキャンペーンを始めると発表した。11月30日まで。一段の利用拡大につなげる。
同社全体では7月末時点の累計申込件数が12万5千件に上っている。小寺社長は「車を保有せず、利用するサブスクのメリットが理解されてきた」と手応えを語った。